新生編
-
01.銀色の人
銀色だ、と思った。 きらきらとした陽の光を浴びて、鈍く光る銀。 その色だけが、脳裏に今でも焼き付いていた。 …
-
02.旅立つ理由はすぐそこに
東の空が少しずつ明るくなりながらも、まだ薄闇が残る早朝。ラノシアの片隅で木人を叩く音が密やかに響いていた。「…
-
03.変わる世界
「いやいや、新たな英雄が生まれたという噂を聞きつけましてな!」 興奮気味に話す三国のグランドカンパニー将校達の…
-
04.ちいさな手
(……あれ) その日、ハルドメルは忘れられたオアシスと呼ばれる、ミコッテのサンシーカー族が暮らす集落に来ていた…
-
05.別れと、出会いと
『別れ』というものを、極端に避けていたのかもしれない。 友達を作らなかったのは、怖がられることが殆どであった…
-
06.その眼差しの意味は
(……やっぱり、なんか……) ウ・ザル・ティアは不思議だった。最初はとても、とても僅かな違和感ではあったのだが…
-
07.ある騎士の瑕疵
「……うん、ありがとう。頼りにしてる!」 二言三言交わして仲間との通信を終えたらしいハルドメルは、キャンプ・ド…
-
08.友は異なもの味なもの
とんでもない思い違いをしていた。 あの人に失礼なことをしてしまった。 だから、謝らなければ。あの人に――。 …
-
09.嵐の前の休息
「なんか色々……恥ずかしいとこ見せちゃった」「何を言う。お前の話を聞けて嬉しかったぞ」 今度こそホワイトブリム…
-
10.英雄と友
大切にしたいと、思った。この上なく素晴らしい友のことを。 魔導城プラエトリウムを制し、ガレマール帝国からの…
-
11.幕間:とこしえの絆に寄せて
オルシュファンは心底絶望していた。親友の命を救い、オルシュファンの心をも救い、友になったあの人はあれから度々…
-
12.それは、紙一重の
「オルシュファン卿が大いに心配していてね」 シヴァを退けた後、アイメリクからそう言われて、ついつい頬が緩んだ。…
-
13.灯火
間違っていたのだろうか。 そうだとしたら、いつから? どこから? 答えてくれる人は、誰もいない。 蛮神シヴ…
-
14.幕間:英雄になれない者達
「へぇ、ついに完成したのか」『あぁ、今ウリエンジェが試してるけど、大丈夫みたいだ。どういう仕組みなのか俺にはさ…
雪の家編
-
15.一時の平和を
「おはよう諸君! よく眠れたか? 今日も一日民と友を守るイイ騎士としてその肉体を鍛え、雪原に汗を煌めかせるのだ…
-
16.夜明けの海の夢
少し、大げさなくらいが丁度いい。蔑まれても、呆れられても、笑われても。それで上手く回るのなら。――けれど。 …
-
17.忘れ得ぬ傷痕
「負けても二日酔いとか言わないでね!」「何を! お前こそ雪には慣れたのだろうな !?」 誰の目から見ても浮か…
-
18.甘いものは好きですか?
「お前は放っておくとすぐあれやこれややりはじめるからな! いいかお前達、絶対ハルに手伝わせるんじゃないぞ! 特…
-
19.一番星の輝き
その日のオルシュファンは、少し様子が変だった。 隊長が変わってるのはいつものことですよ、なんて、兵士達は冗談…
-
20.幕間:香りが呼び起こすもの
「オルシュファン、ただいま参りました」「入りなさい」「失礼します」 フォルタン伯爵――父の私室に入るのはいつ…
蒼天編
-
21.雲海に差す光
「来て早々にとんだ災難だったな」「でもシュファンが来てくれたから助かったよ!」「当然だ! 友のピンチに駆けつけ…
-
22.今の自分にできること
「貴様も、気付いているのだろう! 暁やエオルゼア各国は、貴様の『特異な力』を利用した! クリスタルブレイブに至…
-
23.歩み寄る旅路
「……来い、カーバンクル!」 アルフィノの持つ魔導書に魔力が走り、組み上げられた術式によって仮初めの命が生み出…
-
24.傷に祈りを、額に願いを
聖竜との対話は、失敗に終わってしまった。 そもそもの前提が間違っていたのだと、信じてきたことは幻想だったのだ…
-
25.世界で一番美しい
エスティニアンの手によって残る眼を抉り取られた邪竜ニーズヘッグは、雲海へと消えていった。――終わったのだ、千…
-
26.その剣は誰が為に
後に彼女が竜詩戦争の話をする時、そこから先の話は、それまでに比べて随分と、曖昧になる。――忘れたわけでは、決…
-
27.語られない心
千年続いた戦争が終わり、長く閉ざされていたイシュガルドという国が、エオルゼア軍事同盟へと戻る式典が行われてい…
-
28.前へ、ただ前へ
立ち止まっている暇などない。悲しくても、苦しくても、時間は止まってはくれない。 できることがあるならば、やる…
-
29.差し伸べる手
イシュガルドがエオルゼア同盟軍への復帰を宣言した日と同じように、この日もまた空はよく晴れ渡っていた。 押し進…
-
30.二人分の鼓動
邪竜の影が消え、本当の意味でイシュガルドの変革、そして竜と人との交流が始まってまだ数日。政治的な事では役に立…
-
31.積み重ねられた旅路
小さなコボルド族、ガ・ブの嘆きが生じさせた、不完全なタイタン。被害を出さないためにそれを討伐して戻ると、アル…
-
32.希望が示す先は
今でも、その温かさを覚えている。 最初はその戦い慣れた風体と鋭い目付きから、アラミゴ難民を追い払うために雇わ…
-
33.幕間:懐かしき地、新しき力
「イシュガルドへ? 俺達が?」「はいでっす! 南ザナラーンに行かれたアルフィノ様達が、蛮神召喚の前にクリスタル…
-
34.次へ旅立つその前に
雪が降る中、そっと慰霊碑の前にニメーヤリリーの花と、小さく可憐なローズマリーの花を添える。草原を駆けるような…