「ふぁー……っいてて……あ、おはようフリオー」
「っ! あ、あぁ……おはようティーダ……」
「?」
少しぎこちなく挨拶を返した俺に、ティーダは若干怪訝そうにしながらも朝食を食べに下へと降りていく。
その背中を見送ったあと、はぁぁぁ、と深いため息をついた。また反応しかけている自身に呆れながら。
別に朝だからというわけではない。そう、これは昨夜あんな事があったからだ――。
――――――
「ん…………?」
真夜中にふと人の気配を感じて意識が緩く覚醒した。
ティーダが用を足しに起きたのだろうかと思ったが横のベッドからは気持ちよさそうな寝息が聞こえている。
では誰かが入ってきたのか。しかしそれは敵の気配ではないので気だるげに薄く目を開けた。
ギシ――
………………ん?
「…………ティーダ」
…………んん?
……え……と、どうやら入ってきたのはクラウドのようだ。…………そしてなぜかティーダのベッドの上……に……
「………………」
ふとクラウドがこちらを見たので慌てて寝ているふりをする。と言ってもすでにばれているのだろうが……。
しばらく黙っていたクラウドだが、ふっと笑う気配がすると再びティーダに向かったようだ。
――いや、俺もティーダとクラウドが付き合っていることは知っている。というかコスモス公認である。分かってはいるがまさか俺のいる横でアレやコレやを始めるわけが
「ティーダ……(ちゅっ)」
あったぁぁぁぁ!!
いやいやいやいやクラウドそれは不味いだろう! 俺が寝ているんだぞ! いや今は起きているが! お、俺はどうすればいいんだ、起きてクラウドをとめるべきなのか空気を読んでこのまま寝ているべきなのかっ!! それともティーダの寝ているうちに外に避難すれば……
悶々としている間にもクラウドは行為を続けていく。緩く開いた唇に吸い付き、舌を挿しこんでくちゅ、と音を立てて口内を愛撫する。
「ん……んん……」
時折ティーダが苦しそうに呻いて、クラウドを押しのけようと無意識に手を伸ばす。その手を取って、今度はそちらにキスしていく。そして用意してきていたのか柔らかそうな布でティーダの手を一纏めにして後手に縛ってしまった。お、おいそれはどうなんだ、無理やりはよくないぞ。
そしてふむ、起きないな、とでも言わんばかりに薄く笑うと今度は服を捲り上げて……む、胸やら脇腹やらを撫で始め……っ
「ぅ……んっ、……んー……?」
「ティーダ」
あぁ、ついにティーダが起きてしまった……というか俺は何をやっているんだぁぁぁ!! 止めるも逃げるもしないでクラウドのやることを見ているなんてっ!?
「……あれ……くらうど……?」
「起きたか」
「なに……?も、朝……?」
眠いからなのかいつもより少し舌足らずなしゃべり方で尋ねるティーダ。正直可愛い……なんて言ったらクラウドに睨まれるので言わないが。
ティーダはまだこの状況に気づいていないらしく、眠そうにあくびをしている。するとクラウドがふっと笑って胸の突起を摘んだ。
「ひゃッ!?」
流石に驚いたらしくびくんと体を跳ねさせて小さく叫んだ。その声に思わず俺も驚く。……その、なんだ。…………反応してしまいました。
「く……クラウドなにす……んんッ!」
クラウドが非難の声を上げるティーダの口をキスで塞いで黙らせる。その間にも手は止めずにティーダの体をまさぐり、時折体が逃げるように跳ねる。
後手に縛られ抵抗できず、酸欠に喘ぐティーダの口から零れた唾液も舐め取り、そのまま首筋へと降りていく。
「くら……ッ……ま、待って……てば……ぁ、あッ……!」
「静かにしないとフリオニールが起きるぞ……」
その言葉にぎくりとし、慌ててうっすらと開けていた目を閉じた。荒い息遣いとベッドが軋む音だけが聞こえて……なんというか……非常にいやらしい……。
「だ……からぁ……! フリオ……がっ、ぁッ……いる……ん、ん……の、にッ……!」
必死に声を抑えようとしているティーダの声にずくずくと体が熱を持ち始めてしまう。くそ、恨むぞクラウド……
「大丈夫だ……よく寝ている……でもティーダ…………少し興奮しているんじゃないのか?」
「なッ……ん、なわけ……ない……っ……あ、ぅっ」
「スリルがあるほうがいいんだろう?」
「いら、ない、って、ば……! あ、あ……も……ッ」
「あぁ、見られる方がよかったのか……」
「ッ~~~~ばか……っ、ふ、あ……ッん!」
意地悪く尋ねるクラウドの声はいつもより楽しそうだ。対するティーダも口で言うわりに気持ちよさそうな……って何を考えているんだ俺は!
「ティーダ……ちゃんと声を抑えないと……」
「んっんっ……! だ、たら……ぁ……すんなよッ……」
「…………止めていいのか?」
「っ、く……ん……っ……ばか……バカっ……クラウドのあほ! さっさと止めれば……ひ、アっ……!」
うあああ、止めてくれ頼むからーー!! もう俺の股間が大変なことになってるんだーッ!
そんな俺の願いも空しくクラウドの行為はエスカレートしていく。ギシギシとベッドが軋む音が、忙しない呼吸の音がそれを嫌でも伝えてくる。
一際高く甘い声に誘われるようにほんの少しだけ目を開けた。そして視界に入ってきた光景にどくんと全身が熱くなる。
「や、ッ……ん……ッ…………っ、!」
「ティーダ……もう少し腰を上げてくれ」
ベッドにうつぶせになったティーダが高く腰を上げさせられ、クラウドに尻を突き出すような格好になっている。
健康的なそれを眺め、顔を近づけて――
「ひッ……んん!」
「こら……動くと慣らせないだろう」
ぱしん。
「ッぁ――!!」
秘部を舐められて腰が逃げるように動き、それを咎めるようにクラウドが軽く尻を叩いた。
声を殺そうと涙目で枕に顔を埋めるティーダがおず、と腰を元の位置に戻す。手は縛られたままなのでうまく体が支えられず苦しそうだ。
そしてクラウドが再びそこに顔を埋めるとティーダの体が震える。かみ殺した喘ぎ声が逆に官能を刺激する。
ぱしん。
「んぁッ……」
ぱしん。
「ひ、……ッ」
ティーダの腰が逃げる度にクラウドが軽く叩く。叩くこともないのに、と思ったが何やらティーダも感じているように見えてきてしまった。まさかま、マゾというやつなのか……っ
「そんなに動くと、叩かれたくて動いているように見えるぞ? ティーダ……」
「あ……ぁ、……ちが、う……っす……んッ! ん、んっ」
唾液で濡れた秘部に指を侵入させ、ゆっくりと慣らすように出し入れを繰り返す。これでもかというくらい羞恥で顔を赤く染め、目尻に涙を滲ませながらティーダがそれを受け入れる。
指の動きは止めずに、ティーダに覆いかぶさるように移動したクラウドが耳を食む。いやいやと首を振るティーダだが、自身はとろとろと蜜をこぼしてシーツに染みを作っている。苛められると感じてしまう……のかもしれない。
クラウドがちらりとこっちを見た。俺は寝ている、もうそういうことにしておいてくれ……と目を閉じる。相変わらずティーダの痴態で自身は猛ったままだがこんな状況で自慰できるほど俺は変態ではない。
くす、と笑う気配がする。ぎし、とベッドが軋む音がしてティーダの荒い息遣いがはっきりと聞こえるようになった。どうやら体を起こされたらしい。
「ぁ……、やだ……やだックラウド……!! やめろって……ッ」
「無理だ……ティーダも待てないだろう?」
「だから、って……こんな……あ、ああぁぁッ!!」
ぐちゅ、と音がして下半身がどくんと脈打つ。あぁもう!
「や、だ……ぁ……く、ら……う……ッんんん!!」
「ティーダは見られるのが好きだからな」
「だ、から違う……って……!!! あッ……」
な、何だろう……一体何が起こっているんだ。
気になる……気になるが見てしまったら何かが終わってしまうような気がする。早く終わってくれと願いつつも、かなしいかな、雄の本能なのか脳が目を開けるように命令を出していた。
「アッ、あ、あっ……!!」
「っ……ティーダ……きもち、よさそうだな……っ……く、」
ギッ、ギシ、ギシ、と軋んだ音にあわせて水音と喘ぎ声が聴覚を犯していく。
クラウドにもたれかかるように座り、猛ったものを飲み込んでいるティーダの秘部がひくひくと蠢く。ティーダの背後から膝裏を抱え足を広げさせて、まるで俺に見せ付けるかのように犯す。
「や、ア……あっ、んっ……んんッ! くら、うどぉ……!! あ、あッ」
「夢中だな……ティーダ……」
フリオニールがいるのを忘れているだろう、とクラウドがつぶやいたが、激しく揺さぶられ快楽に飲み込まれているティーダには届かなかった。
口の端から唾液が零れ、快楽に仰け反る喉を伝う。普段は明るい笑顔で皆を励ます彼の、淫靡な姿から目が離せない。
「あぁッ……も、イ……っ……クラウドッ……ふ、ぁ……も、いくッ……あ、あ、あ」
「あぁ…………っ……イっていいぞ……ティーダ……」
あいしてる、とクラウドが囁くとティーダの体が痙攣して堰を切ったように白濁が噴出した。
「ッ…………!!」
「ッあ――――!! ッあ、あ……ハッ……あ……」
ドクドクとクラウドが脈打ち、中に白濁を注ぎ込んでいく。すべてを出し切るように、余韻に震えるティーダの体を何度も揺さぶり、ようやく抜いた時は重力にしたがって白濁が流れ落ちた。
そして、絶頂し腹や腿に精を散らしたティーダの姿に。
「ッ…………は……ぁ……」
――――気づけば自分も熱を吐き出していた。
…………うああああああっ!!
最低だ……人の性行為を盗み見ていた(というか見せられた)だけじゃなくそれでイってしまうなんてッ!?
……いや、むしろ……触らずにイってしまったという事実のほうが男の沽券に関わるんじゃないのか……!
「フリオニール」
「うわあああああ!! ……って、く、クラウド……」
いつの間にか部屋に来ていたクラウドが俺の様子を見てくす、と笑った。
「昨日は何かあったか?」
「…………いや……何も……なかった……です」
何を言われるのだろうかと冷や汗をかきながら応える。俺はもしかしたらとんでもない弱みを握られたんじゃあ……
「……またやりたいか?」
「…………結構だっ!」
あぁ、迷ってなんかいないさ、決して!
――――――
あとがき。
PC復活早々の更新がえろってどういうことだろう!
ネタの泉より『ティーダの寝込みを襲うクラウドさん』を書かせていただきました!匿名の方ありがとうございましたv
趣味に走るというか……毎回ティーダを苛めまくって申し訳ないです。でも書いててとても楽しかったです……
そして微妙なソフトSMですみませんorz クラウドさんが変態っぽくてすみませんティーダがMですみませ……!
今回はフリオがとても不憫というかある意味おいしい位置にいるのでしょうか……どちらにしてもごめんねフリオ!
匿名の方、もしフリ→ティとか嫌いでしたら大変申し訳ありません!書いてる身としては、一応このフリオはティーダが好きという訳ではないのですが……、
夜這い=不意打ち→無理やり、という単純な思考で縛ってみたりあれしたりこれしたりしました。
もはや自分だけが楽しいものになってきている気がしますが、最後まで読んでくださりありがとうございました!