七年、という差は、とても大きいと思う。
その上、異性ですらない。世間一般、常識から考えても、簡単に受け入れてもらえる関係ではない。
だがそれでも、そうだとしても、惹かれてやまない存在がある。
互いに互いを必要として、求め合う大切な人がいる。
「セーフィーロース! いるー?」
とある高級マンションの中、とある部屋の前で少年はチャイムを鳴らして住人の返事を待つ。しかし返事はない。
「入るっすよー」
渡されている合鍵でさっさと中へと入ってしまう。それは部屋主と少年が親密な関係であることを表していた。
「って、あれ?」
今は休日の朝10時。電気などつけなくても明るいというのに、所々ついている。ずんずんと廊下を進んでリビングの戸を開けると、いつも通りの部屋が迎えてくれる。
いささか大きすぎはしないかという大画面のテレビの前に置かれたこれまた大き目のソファ。その肘掛部分から銀髪の頭が覗いている。
(寝てる?)
足音をさせないようにそろそろと近づいてみると、部屋の主……もとい少年の恋人が寝息をたてていた。
初夏も近づいてきて寒さは薄れてきたとはいえ、こんな所で寝ては風邪をひいてしまう。よく見ると服も仕事の時に来ているスーツのままだ。
とことことキッチンまで歩いてレンジの中を見れば、温めれば食べられるレトルト食品が入っている。
(疲れてたんスかね……)
再びソファの前に戻り、しゃがんで男の寝顔を間近で眺めた。
(相変わらず睫毛長ー)
なんてことを考えながらも、たった数分温めるだけの時間を待てないほど疲労していたのだろうかと思うと、きゅっと胸が締められるようだ。
さらりとした長い銀の髪を指で弄ぶ。昇進の話もあると話していたけれど、どんなに忙しくても週に一度は必ず会う時間を作ってくれる年上の恋人をとても愛しく思った。
少年自身は何度かしてもらったことがあるけれど、さすがに大人の男を15の彼が運べるはずもない。寝室から持ってきた掛け布で彼の体を覆うと鼻先にちゅっとキスをした。
「ゆっくり休んでてな」
――――――
トントントン
それはドラマなどでよくある、しかし自分には馴染みのない、誰かが料理をする時の音だ。
音に誘われるようにゆるりと意識が覚醒してくる。しかしおかしい。帰ってきたのは深夜なのに、瞼を閉じていても周りが明るいのが分かった。
(あぁ……レンジ)
食品を温めている間にうたた寝をしてしまったかと思い、いやいやそうじゃない、今聴こえているこの音はなんだったか。
「ッ!」
「あ、はよーッス。ってもう夕方ッスけどね」
いきなり飛び起きたので少しくらくらする。それでも、キッチンから聴こえてきた愛しい声と料理の香りで意識はしっかりと覚醒した。
「……今、何時だ」
「んーと夕方の五時半くらい? あ、今のうちにお風呂行くといいッスよ。出る頃にはご飯もできてるからさ」
「……ティーダ」
「んー?」
「……すまない」
「もー、いいからちゃっちゃと風呂行くッス! 話は後で!」
お玉を振りながら風呂の方を指すティーダに頭が上がらない。いくら疲れていたとはいえこんなに長く眠っていたなんて。しかも、恋人と会える貴重な日に。
帰ってきた時には随分と重く感じた体も、寝て回復したのか少し楽にはなっている。寝起きで少しふらつく足取りで風呂へ向かうが、途中足を止めてキッチンへと向きを変えた。
「……」
鼻腔を擽る日向の匂い。自分よりもずっと小柄な体をすっぽりと腕の中に収める。ふわふわと揺れる金髪に唇を落とすとぽこりとお玉で叩かれた。
「でっかい図体のくせに甘えんぼなセフィロス君、後でいっぱい甘やかしてあげるからお・風・呂!」
「……わかった」
190はあるはずの男が少し肩を落としたように歩く姿にくすくすと笑うと、ティーダはセフィロスを呼び止めた。
「どうし、」
振り返ったセフィロスのネクタイをくいと引っ張って、触れるだけのキスをした。
「――今は、これで我慢するッス」
ああ、とかうう、とかよく分からない返事をした後、熱に浮かされたように歩くセフィロスを見送ると、ティーダは料理の続きへと戻った。
――――――
(……おかしい)
たっぷりと湯のはられた風呂に入りながらセフィロスは思案する。
どうも最近、ティーダに主導権を握られがちな気がするのは気のせいなのだろうか。
昔こそ兄のように自分を慕い後ろについて歩いていたはずなのだが、恋人になってからは随分と積極的になってきた。
先ほどのやり取りは、大切な一日を寝て過ごしてしまった引け目があったし、むしろティーダの態度は聞き分けの悪い子供を叱る母親のようでもあったのだが。
別に、主導権を握られるのは嫌なわけではない。ただ少しだけ違和感を感じることもある。それは子供が一生懸命背伸びをして、大人に近づこうとしているような。
(まあ、思春期だからな……)
ただでさえ年の差が7つもある。15歳という、思春期真っ只中なティーダにとってそれはとても大きく感じるのかもしれない。
2年前に成人しているセフィロスとしては、焦らずともゆっくり大人になっていって欲しいと思っているのだけれど。
そうは思いつつも、先ほどキスした時の妖艶さを含んだ表情はまだ幼さを残す顔にはアンバランスで、だからこそ欲を刺激される。
(難しい、問題だ)
指先で唇をそっと撫で、湯気の立ち込める天井を仰いだ。
――――――
「お、出てきた。って、ちゃんと髪乾かさないと駄目じゃないッスか!」
「お前にやってもらおうと思った」
「しょーがないッスね~」
言いつつも上機嫌にドライヤーを持ってきたティーダ。料理は出来ているらしいが、保温器具に入れているから大丈夫だとセフィロスをソファに座らせる。
ドライヤーが唸る音と共に温かい風が頭に吹き付けてきて目を閉じる。
「セフィロスの髪はいつも綺麗ッスね~。さらさらだし柔らかいし、触るの好きッス」
髪を梳く、優しく労わるような手つきを教えたのはティーダだ。美容師のそれとは全く違う。他人の手がこんなにも心地いいなんて、以前のセフィロスは知りもしなかった。
「今日はバニラの匂いッスね」
すんすんと顔を近づけて匂いをかぐティーダ。風呂場には何種類かの香りのシャンプーがあり、気分で使い分けているのだが。
「……お前はオレンジか」
少し後ろを向けばすぐ傍にあるティーダの顔を引き寄せる。途端に赤くなって離れてしまうあたり、やはり背伸びしていても本質は変わっていないのだと少し安心する。
常人よりも大分長い時間をかけて髪を乾かした後に食べたティーダの料理はとても美味しかった。作りたての温かい食事を食べられるというのは、とてもありがたいことだ。
「なーなーいつになったら一緒に住める?」
「もう少し大人になったら、な」
「いつもそればっかじゃないッスか!」
ぶーと唇を尖らせるティーダの頭に顎を乗せる。ちなみに今は食事の片付けを終え、ソファに座ったセフィロスが膝の上にティーダを乗せて後ろから抱きかかえて寛いでいる状態だ。
傍から見れば年の離れた仲の良い兄弟、に見えないこともない。しかし二人はれっきとした恋人同士なのだ。
一緒に住む、というのはずっと考えていることだ。両親がおらず成人しているセフィロスはともかく、まだ未成年であり、同じく両親はいないが後見人のいるティーダとでは難しいこともある。
後見人の隻眼の男には二人の関係は知られており、理解もされている。が、一見関係のなさそうな二人が何故、という世間の目もあるかもしれない。
ティーダが進学を希望する高校は、今住んでいる場所よりはセフィロスのいるマンションの方が近いこともあり、上手く行けば来年から同棲できる。
それでもティーダは待ちきれないらしく、最近では会えば必ずこの話題を話している気がした。
「んじゃあいつになったらオレのこと襲う?」
飲みかけていた食後のコーヒーを噴きそうになった。体が密着しているせいで、早くなった心音を悟られそうだ。
「……襲われたいのか?」
自分で訊ねておきながらその問いにカァ、と赤くなるティーダは何だかんだでまだ初心なままだ。
――しかし、あまりにティーダが迫ってくるものだから……というのは言い訳で、誘惑に負けペッティングは済ませてしまったセフィロスでも、超えてはいけない一線というものがある。
何度も何度も自分に言い聞かせ、いつだってその全てを暴いてしまいたい欲望を押し隠しているというのに、この少年はそれを易々と飛び越えようとする。
「……それこそ、大人になってからだ」
「大人大人ってさ~ずっとそう言ってるじゃんか」
不満そうに足をばたばたと揺らし、唇を尖らせる。僅かに汗ばんだ首筋にすら欲情するのだと、ティーダは知っているのだろうか。
「……子供だからとか、お前に魅力がないとか、そういう話ではないぞ」
「わかってるッスよ、セフィロスがオレのこと大事に思ってくれてるからってことは」
さっきの不満顔は何処へやら、瞬きする間に笑顔になったティーダにセフィロスも釣られて頬を緩める。
例え同棲を始めたとしても学生と社会人では、いや、お互い社会人だったとしても、時間が合わずすれ違うこともあるだろう。それでもティーダは一緒にいたいと言った。
「時間が合わなかったとしてもさ、今よりもっと近くに」
体勢を変え、セフィロスの肩に手をかける。キスされそうだ、と思った時にはもう唇が触れていた。舌を使わない触れるだけの、啄ばむようなバードキスがティーダは好きだった。
それを何度か繰り返すとぽすりと肩に顔を埋める。くすんだ金髪をゆるゆると撫でれば小さな体が更に擦り寄る。
「……もっと近くにいて、毎日ご飯作って、お風呂もいつでも入れるようにして、布団だっていつもふかふかにして……よ、夜だって頑張るし」
「…………」
「セフィロスの役にたちたいッス」
「……今日だって、たくさんしてくれただろう」
「こんなん全然大した事ないって」
「ティーダ」
「あ゙ーもー、はやく大人になりたい!」
そうすればきっと、もっと傍にいる事ができるのに。
ぎゅうぎゅうと抱き付いてくる腕の中の温もりを、負けじと抱きしめ返す。
すぐ傍にある、美味しそうな首筋をどうしようか悶々としつつも指先でそろりと撫でると、腕の中のティーダが震えた。
いつもであればこのまま寝るか触り合いをするかを雰囲気で決めるのだが、先に動いたのはティーダだった。がばりと顔を上げると、妙に意気込んだ表情をしている。
「なあなあセフィロス、今日すごい熟睡してたし、仕事で疲れてるッスよね」
「あ、あぁ……まあ大分回復はしたが……」
「毎日仕事で遅くなって、ゆっくりシてる暇もないッスよね」
「……?」
なにやら雲行きが怪しいのを感じて身じろぎするが、ティーダの手がするりと腹へ滑り、思わず固まる。
「だから」
するすると、腹の更に下へと手が伸ばされても動けない。
「いつもはオレが、し、してもらってばっかりだからっ」
頭が働かない。こんな事態、考えたことがなかった。
「だから、今日は、オレが」
そっとティーダが離れる。否、離れるのではなく、それに近づくためにソファから降りた。
「オレが、がんばるッス!」
寝巻きの上からそれを撫でる手。それだけで僅かに反応を始める自身と、それを食もうとするティーダを見てようやく我に返る。
「てぃ、ま、待て、ちょっと待てティーダっ」
慌てて止めると、彼なりに勇気を出した行動だったのだろうそれを中断させられてじわりと瞳が潤んだ。
「なっ、なんで、とめ」
出鼻を挫かれ、赤くなってうろたえるティーダを見て少し思うが、仕方ない。
所謂本番まではやらないものの、確かに時折体の触れ合いはする。しかしいつも主導権はセフィロスにあったし、する前には心の準備をしておきたい。でないと、歯止めが効かないかもしれないからだ。
「いや、お前の気持ちは嬉しいが……そんなに溜まっているというわけでもない……無理をしなくても」
「む、無理してないッス! なんだよ嫌なのかよー! オレが勇気出して頑張ろうとしたのに! セフィロスのあほ! もうしてやんないぞ!」
「え」
「え?」
「…………」
「…………」
沈黙が降りる。ティーダが小声で「ムッツリ」だの「スケベ」だの言った気がするが、そんな些末な事は気にならないくらいにセフィロスは動揺していた。
嫌なわけがない。せっかくのティーダの好意を無下に断りたくはないし、セフィロス自身も望んでいないわけではない。
――ただ、予想していたより随分と早くに、そして唐突にその機会がやってきてしまっただけで。
軽い咳払いをする。ああ今自分の顔は赤いんだろうなと考える余裕もなく、むしろ半ば自棄である。
「すまないティーダ……いきなりで、少し驚いただけだ。嫌なわけではない……むしろ、嬉しい」
「じゃあ……」
「……寝室に行こう。改めて私から、お願いする」
ティーダの体を抱え上げてセフィロスは思う。これは、理性との戦いである、と。
――――――
それまでにやってきたことと言えば、セフィロスがティーダの体を愛撫して昂ぶらせることばかりだった。主導権は常にセフィロスにあり、ティーダがすることがあってもそれは軽いボディタッチのようなものだった。
しかし、これは
「や、やっぱおっきい……ッスね……」
開始早々セフィロスは手の平で顔を覆った。決して安易な気持ちでOKしたわけではないけれど、まずい、これは非常にまずい、と内心動揺しっ放しである。
「じゃ、じゃあ…………っ」
えい、と勢いをつけるようにティーダが先端にキスをする。ぴくんと反応した手の中のものに驚きつつも、舌を出して恐る恐るというように舐めはじめた。
セフィロスは早くも後悔しそうになっている。ただの触りあいをした後ですら、数日はティーダの身悶える姿が頭から離れないというのに。
「ん、ちゅ……」
先端をちろちろと舐めたりそのまま根元まで滑らせたり、技巧こそないものの気持ちよくさせたいという気持ちが十二分に伝わってくる愛撫。
それだけでも十分セフィロスを昂ぶらせるものだが、加えて視覚的にも刺激されてしまう。色々と。
「っ……」
「……ふ……? 気持ちよくない、っすか……?」
上目遣いで首を傾げるティーダの吐息が触れるだけでぴくぴくと反応する自身が恨めしい。
唾液で濡れた唇。その隙間からちらちらと覗く赤い舌。舐めるためベッドに四つん這いになり、動くたびにゆらゆらと揺れる臀部も、全てが目の毒だ。
「いや……気持ちいい。……続けてくれるか?」
「う、うっす」
蜂蜜色の髪に指を差し込んで撫でると嬉しそうに顔を綻ばせ、再び愛撫に集中しはじめる。慣れて少し余裕ができたのか、口だけでなく手も使い始めた。
「……ぅ」
竿を扱いたり、やわやわと陰嚢を揉んだりと、何処が一番感じるのか試すようにあちこち触れていく。
口に至ってはとうとう先端を銜えてしまった。流石に奥の方までは銜えこめないものの、舌で、唇で刺激されて堪らず息が漏れる。
ちゅぱ、と音を立てて離れるとなぜかティーダがご機嫌な様子で笑っている。唾液と先走りで濡れたそれを扱きながら先端にちゅ、と唇をつけた。
「へへ、我慢してるセフィロスの顔、ちょっとかわいいッス」
「お、おい……ッ」
「癖になりそうかも」
少し伏せ気味の色気を含んだ瞳に目を奪われていると、手で扱かれると同時に強く吸われ、耐える間も無く吐精してしまった。当然それはティーダの口へと吐き出される訳で。
「んんっ! ん、わっ……わっ……」
驚いて口を離してしまったせいでティーダの顔やら髪やらに粘ついた液体が絡みついていく。口の端からもとろりと白濁がこぼれているのを見て、一息つく暇もなくサイドテーブルからティッシュを取る。
「早く吐け、ほら」
「んんー」
何を躊躇うことがあるのか少し逡巡した後、素直にそれを吐き出した。顔についたものも拭ってやるとティーダは少し残念そうな顔をしている。
「飲めるかと思ったけど、ちょっと難しかったッス」
「……飲まなくていい」
「えーでもセフィロスはオレの」
「いいから」
何故かセフィロスのほうが恥ずかしくなる。まだ何か言いたそうなティーダにキスしようとすると唇ではなく手の平が押し当てられた。
「わ、ま、待って、キスは」
「?」
「あの……い、嫌じゃないッスか? 一応その、……した後だし、あ、別にセフィロスのが汚いってわけじゃなくて!」
「構わん。……逆だったら、お前は嫌か?」
ぶんぶんと勢いよく首を振る。キスされるのが好きなくせに、妙なところで気を使う恋人の新しい一面を知ったことを嬉しく思いつつ体を抱き寄せて唇を合わせた。
「次は……一緒にイくか」
「う、うん……ッ……」
腰を引き寄せて寝巻きのズボンをずらせば、ティーダのそれも存在を主張していた。一度達して少し萎えたかと思ったセフィロス自身も再び力を取り戻し始めている。
互いの性器をあわせるように握る。吐息を漏らしてセフィロスに体重を預ける姿は、先ほどまでの少し大人びた色香が嘘のようだった。
主導権がセフィロスに渡ると途端に初々しい反応に戻るギャップが堪らなく欲を刺激する。もっと色んな顔が見たい。
「ん、んっ……ぁ」
ゆるゆると手を動かしながら、首筋に舌を這わせる。汗とシャンプーの香りに誘われるように耳を辿り、かぷりと甘噛みすると腕の中の体が強張った。
「み、み……だめ……だって……ゃッ」
「相変わらず弱いな」
「ッ、ほ、ほんと、だめ……だって……」
息を乱しながらもじもじと腰を揺らすティーダに、ふと悪戯心が湧く。背中を撫でていた片手の指を丁寧に舐めると、そっとティーダの背後に忍ばせた。
「ティーダ、早く大人になりたいと言っていたな」
「……っ? う、ん」
「今日は、色々としてもらったからな……」
「……ッ、セ、フィロス……っ!?」
誰も触れた事のない場所を、唾液で濡れた指先がぬるりと撫でてティーダの声が上擦った。
「だから特別に、ステップアップだ」
「あ、……いッ……」
指先を埋めただけでふるふると震えだす体をあやすように、一度性器を弄っていた手を止めて背中を撫でた。
「怖いか」
「こわ、くない……っす」
「痛いか」
「ん、へーき……」
「……続き、大丈夫か」
「…………」
答える代わりに、首に腕が回される。少しだけ顔を上げて、唇に触れた。
「ん……ッ、あ……」
硬い蕾を解すように動かしながら、じりじりと奥へ進んでいく。性器への愛撫も再開させると、少しずつ力が抜けていく。
「な、んかっ……変……な、かんじ……ッ」
体の中に異物が入ってくる感覚はすぐに慣れるわけもなく、まだ快感は得られないようだ。
丹念に慣らしながら指を進めていく。知識でしか知らないその場所を探るように撫でたり、圧迫したりを繰り返していると僅かにティーダの反応が変わる。
性器を扱く手も止めないでいると次第に息が上がり始めた。
「ティーダ」
「は、ぁ……あ……セフィ、……ッ……そ、そこ、やだ……」
「…………」
「っ~~~~!!」
くい、と少し強めに圧迫してみると声にならない悲鳴が上がった。目尻に涙を浮かべて息を乱す姿に、ぞくぞくと嗜虐心を刺激される。
啼かせたい。誰も侵入したことのないその場所に、自分の欲望をぶつけてしまいたい。
――そんな想いをひた隠す。今はまだ、その時ではない。
「だ、めッ……だって、言って……の、に……っあ、ぁ……!」
「気持ちいい、だろう?」
「やッ……変……おれ、体……ッひ」
「ティーダ……ッ……一緒に」
「あ、あッ……セフィ、……!!」
体が震え、二人の間に白濁が散る。はふ、と満足そうな息を吐き出したティーダがぽつりと言った。
「……キス」
「……ん」
心地よい疲労感と充足感に包まれながら、二人はそっと唇を重ねた。
(今は、まだこのままで)
――――――
ひたすらラブラブいちゃいちゃなセフィティダが書きたい!と滾った結果の現パロでした。
しかしセフィロスの部屋から一歩も動いていないという……/(^o^)\
異説世界でもいいのですが、設定のこととか考え始めるとどうしてもシリアスが混じりそうになってしまうのでなんの気兼ねもなくいちゃこらさせられる現パロにしてみました!
学パロはもう書いてますしそっちでもよかったんですけど、それとはまた別の感じがいいなと思いまして。フフフ
しかもこれ、22歳×15歳ですからね、ぎりぎりセウトな感じですね。セフィロスの年齢は原作の設定色々から考察した結果と私の趣味で決めました!
本当はもう一つ上くらいでもよかったのですがさらに犯罪臭を増してどうする!と思って止めたり……(笑
ナチュラルに「髪拭いてもらおうと思った」とか甘えまくりな英雄はいかがだったでしょうか……基本的に現パロは二人がお互いに甘えて甘やかして甘やかされる感じになりそうです。ええ、完全に趣味です!
ともあれ、最後まで読んでくださりありがとうございました!!
ふぇらーりネタで燃えさせてくださったHさんに捧げます!