イシュガルド学園初の編入生となったはるさんと、初めての友達となったオルシュファンのどたばた学園生活!フォロワーさんのグリノー夢も活躍してくれます!
連載:Chère étoile filante
-
01.Prologue
「戦神ハルオーネの御前にて、誇りをかけて戦うことを誓う!」「我らの武、どうかご照覧あれ!」 他国との交流が薄く、鎖国していると揶揄される皇国イシュガルド。 齢十歳の少女は行商人である両親とともにその…
-
02.L’endroit dont je rêvais
ハルドメルが自ら学校に行きたいと言い出し、両親は大層喜んだ。 聞き分けが良く、家業の手伝いも積極的にやる自慢の娘だが、友達を作れない――作ることを諦め気味だった彼女を二人は心配していたのだ。 度々学…
-
03.À bon vin point d’enseigne
編入試験は、一週間程度で結果が出る。事前にそう聞いていたハルドメルは、両親の昔馴染みの家に下宿という形で滞在することになった。両親は仕事のために外に出ている。 入学となれば色々と物入りだ。一人娘の決…
-
04.Il ne faut pas réveiller le chat qui dort.
銀色だ、と思った。 あの日の少年とよく似たその色が目の前に現れた時。 ハルドメルは今までとは全く違う日常が始まるのだと、無意識のうちに感じていた。 * * * 「今日からハルも一年生ね! なんだか私…
-
05.Il n’est si bon cheval qui ne bronche.
「おはよーハルドメルさん!」「あっ……お、おはようっ!」 クラスメイトかつ同じ寮だった二人の女子生徒に挨拶され、少しの緊張と、声をかけてもらえた喜びとで、ハルドメルは少し上がる体温を感じながらはにかん…
-
06.Formation secrète
汝、戦神の御前で力を証明せよ。 戦神の目は真実を見通す。 戦神の祝福は正義に与えられる。 故に正しきは、勝利を手にした者である――。 決闘裁判。食堂に併設されたインナーバルコニーで友人二人から制度…
-
07.Le jugement du dieu de la guerre.
「全く……野蛮人は次から次へと厄介ごとを……」 小さくぼやいているのは、魔術科で学年トップの成績を誇る蒼天騎士の一人、オムリク・ド・プーラニョン。校内で起る決闘裁判の監督役の一人。武力を嫌う彼は、決闘…
-
08.Avoir le coeur sur la main.
指定された場所にやってきて、ハルドメルは思わずあ、と声を漏らした。ひっそりとしているが、綺麗に手入れはされている草木と東屋。その場所は、編入初日に迷い込んだ場所だったからだ。「いらっしゃいハルドメル…
-
09.Petit à petit, l’oiseau fait son nid.
闘技場に剣戟の音が響く。 授業外でも主武器の鍛錬に励む者。多芸を極めんと他の武器を手に取る者。騎士科ではないが、護身のために武器の扱いを覚えたい者等々。 イシュガルド学園の武術系部活動は様々な目的を…
-
10.Avoir des papillons dans le ventre
雪解けが進み、イシュガルドの寒さが僅かに和らぐ頃。 中間テストも終わり、新入生達も生活に馴染んでくるこの時期に、より生徒達の友好を深めるための催しがあった。 この日のために準備に追われた委員会も、運…