合図。【R18】

 合図、みたいなものがある。
 それは、甘く低くなる囁きだったり、突然の噛み付くようなキスだったり。
 今日は、後者だった。

「ん、はぁ……っ」

 口の中を、熱い舌が別の生き物みたいに這い回る。
 息を継ぐ暇もなくて頭がぼーっとしてくるけれど、上顎をそろりと舐められて、ぞくぞくっと快感が走る。
 口から溢れた唾液すらも舐め取られて、また口付けられて、もう立っていられない。
 そう思った時、また突然キスが終わって、今度は横抱きに抱えられた。
 呼吸を整えているとふわりとベッドに下ろされる。かと思えば性急に服に手をかけられて「うあ」なんて間抜けな悲鳴を上げてしまう。
「ちょ、セフィロス……! なんか急すぎ……んッ」
 触れるだけのキス。綺麗な銀糸が顔に当たってくすぐったい。
「お前を見ていたら欲情した」
「欲っ……!? んなこと言われても困るッス!」
 かぁ、と顔が熱くなるのが分かったが止められるわけもなく。
「大体セフィロスは急すぎるんスよ! 雰囲気とか、俺にも心の準備とかさぁ……!」
「雰囲気を作った所でお前は逃げるだろう。心の準備なら待ってやるが」
 確かにそういう雰囲気になったら逃げてしまうけれどそれは恥ずかしいからで。待つと言ったまま黙ってこちらを見ているセフィロスに反論できる言葉がない。
 うぅぅぅと唸っていると「もういいか」なんて言ってきて、抵抗する前にキスされて徐々に服を脱がされていく。
「なん、でっ、おればっか……! ぁっ……」
「ならば私も脱ごう」
 当然のようにさらりと返される。黒衣の下から、筋肉の付いた逞しい体が現れる。
 完成された、彫像のように綺麗な体に思わず見とれていると、セフィロスがまた覆いかぶさってきた。
 反射的に逃げようとしてしまって、起き上がろうと体をひっくり返してベッドに両手をついた。
 だがそれもセフィロスの前では無駄な抵抗で、ベッドに付いた手にセフィロスのそれを重ねられ押さえつけられる。
 膝を立てていたので自然と体が密着して、ズボン越しに熱いものが当たるのが分かった。
「せ、セフィロス……」
「逃げようとしたな……おしおきが必要か?」
 くすくすと耳元で意地悪く笑うと、片手を体に這わせはじめる。
 太ももからわき腹を撫で上げられてくすぐったさに身を捩る。そのまま上へと上がってきた手に今度は胸の突起を摘まれて体が跳ねる。
「っん!」
「どうした?」
 囁かれると同時に耳朶を甘く噛まれて声が漏れる。体の奥から快楽を引きずり出されて弄ばれる。
 「セフィ……ッ……くぅ、んっ……あ!」
 摘まれて、捏ねられて、弾かれて、びくびくと体が震えるのを止められない。
 自分のそれがすっかり勃ちあがっているけれど、セフィロスはそれに触れようとはしなかった。

 (さわってほしい――)
 そう思ってしまっている自分が恥ずかしくて、ぎゅうと目を閉じる。
 するとセフィロスが手を止めた。背中に触れた熱が離れて振り返ろうとすると体を引き寄せらた。
 その勢いのままとん、と逞しい胸板に頭をぶつける。何事かと目を開けると胡坐をかいたセフィロスの上に座らせられる。
 すっぽりと抱えられるような体勢になってさっきよりも体が密着する。
 顔が見えなくて、少しだけ不安で。後ろを振り向こうとした時胸への愛撫が再開されて背中が反り返る。
「あっ……や……! んんッ! は……、あッ!?」
 触って欲しいと思った場所に手が添えられる。ぬるりとした感触で自分がどれだけ感じているか分かってしまい体が熱くなる。
「セフィっ……ぁ、あッ! ん、やぁっ……! や、だめ……!」
 胸と、自身を同時に弄られて、びくつく体を止められない。少しでも快感を散らしたいけれど、後ろから抱えられたこの体勢では何も縋るものもなく、与えられた快楽をそのまま受け取る。
「は、ァ……や、セフィ、ロス……! んっ!」
「……イきたいのか?」
 快感に震える体でなんとか頷くけど、セフィロスは忍び笑いをしただけで決定的な刺激を与えてくれない。
 緩やかな手の動きがもどかしくて自然と腰が求めるように揺れる。
 すると黙ったままだったセフィロスが何かを思いついたのか口を開いた。
「そうだな……イかせてやるから自分で慣らしてみろ」
「は……なっ……?」
 出てきたのはとんでもない言葉で、一瞬理解できなかった。
「んなのッ……あ……できる、わけ……ッん、ん!」
 急に手の動きが速められてびくんと背中が反る。それでもイかせてはくれなくて、涙目になりながらセフィロスを見上げた。
「……仕方ないな……少しだけ、手を貸してやろう」
 そういうと自身を触っていた手を俺の手に重ねて、先走りを塗りつける。
 そのまま手を秘部へと持っていき、自分の中指をゆっくりと入れられる。
「う、あ……あ……ッ」
「力を抜け……少しずつ動かせばいい」
 優しく囁きながらうなじを吸い上げる。動かさなくても、重ねられたセフィロスの手が勝手に中指を奥に押し込んでくる。
「どこがいいかは分かるだろう?」
 どうあっても自分がやらなければいけないらしく、観念して少しずつ指を動かし始めた。
「っ、ぁ……はぁ……は、ん……」
 出来るだけ力を抜いて、いつもセフィロスがしているように、解すように指を動かして、慣れてきたら奥に入れて少し指を折り曲げて。
「ん、あぁッ!?」
 突然強い快感に襲われて、秘部が自分の指を締め付ける。
「や、ぁ、あん! セ、フィ……! やぁぁッ! あ、あッ……」
 重ねられていたセフィロスの手が俺の手を掴んで激しく抜き差しさせる。自身から伝い落ちた先走りも手伝ってぬめりが強くなる。
 セフィロスが手を離したのにも気付かずに、俺の手は動き続けた。ぐちゅぐちゅと水音が鳴って頭が真っ白になる。
「ティーダ」
「ふあ……ッ……や、なんで」
 名前を呼ばれて、指を引き抜かれる。あと少しでイきそうだったのに止められて泣きそうになる。
 すると、ふわりと浮遊感があって、そこに熱くて硬いものが押し当てられて。

「ッあああぁぁ!!」
 下から貫かれて、我慢させられていたソレが勢いよく白濁を飛び散らせる。
 強烈な快感に体の震えが止まらなくて縋りつくものを求めて手が空中を彷徨う。
 膝裏にある手が足を開かせて、体を上下に揺さぶり始めて、イったばかりなのにあっという間に自身は力を取り戻した。
「あ、あぁんっ……は、あッ……あ、あッ、くる、し……あ、あ!」
「ッ……ティーダ……」
 微かに息を乱したセフィロスの声に煽られて思わず力が入って、セフィロスを締め付けてしまう。
 熱く脈打つそれをより強く感じて腰が揺れて。強すぎる快感に涙がぽろぽろと零れ落ちる。
「……ッはぁ……」
いつも余裕を見せるセフィロスの、こんな切羽詰ったような声を聞けるのは自分だけかもしれないと思うと堪らなくなる。
「セフィ、ロス……ッ……セフィロスぅ……!」
 ぎゅう、と彼の腕を掴むと応えるように抽挿が激しくなった。
 一番感じるところを突かれて、何も分からなくなって。
「――ッああああぁ!」
「ッく……」

 二度目の解放を向かえながら、体の中に熱いものが注ぎ込まれるのを感じた。

ようやく呼吸が整い、落ち着いた頃、また体内でセフィロスが力を取り戻すのが分かり慌てる。
「わ、待ってセフィロス!」
「……なんだ」
 止められた事が気に入らなかったのか、不機嫌そうな声が降ってくる。それでもやっぱり言っておきたかった。

「するなら……今度は…………前が、いいッス……」
 顔が見えないし、キスできないし、なにより、抱きしめることができない。
「な、せふぃ」
 言葉は最後まででないままセフィロスの口に飲み込まれた。

――――――

時々さ……唐突にエロを書きたくなることってあるよね……
あ、私だけですかそうですか。
せひてぃのえろなんて全然ないから自給自足で頑張ってみる
でも萌えない。これはひどい。えろしかなくてすいません^p^
最後のキスは最初のキスとおんなじ合図。最初は「さあやるぞ」、二度目は「さあつづきをやるぞ」。……何これ。

ティーダがこの後気絶するまであんあんされるのは言うまでもありません←

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