……ん、あれ? 何してるのさそんなトコ突っ立って。
……あー、そういうことか。ティーダのこと見てたんでしょ。……いや分かるよ、いつものことだしね。
うん、いつも見てるよ。気付いたら目で追ってるからね。もしかして自覚なし? あ、そう……
でもほんっと好きだよね。ティーダのこと。というか恋人なんだし、見てないで行けばいいのに。見てるだけでも楽しいのは分かるけどさ。
……そういえば前から訊きたいと思ってたんだけどさ、ティーダのどこを好きになったの?
あ、全部とか無しね。……なんでそんな不満そうなの? 当たり前でしょ! 僕は具体的な話を訊いてるの!
それで、どうなの?
えぇ、僕? そりゃ僕もティーダのこと好きだけどさ。今こっちが質問してるのに……ま、いっか。
うーんそうだなぁ。やっぱりあの明るいとこっていうか……皆をぐいぐい引っ張ってっちゃう……いや、どっちかというと背中を押してるって感じなのかなぁ? そういうとこ好きだね。
あと、個人的なことだけどさ。僕のことを一人の騎士として見てくれてるし、同時に子どもでいさせようとしてくれるとこも、かなぁ。からかわれることもあるんだけどね。
皆もちゃんと騎士として認めてくれてるし、どっかの誰かさんは完全に『守ってやらなきゃいけない子ども』扱いしてくるけどさ! どっちもっていうのはティーダが初めてだったかも。
ほら、僕は答えたんだから今度はそっちの番だよ! ティーダのどこが好き?
まだ考えてるの? まあ時間がないわけじゃないし、ゆっくりでいいよ。
……それにしてもティーダは今日も元気だね。あ、転んだ。
あーあもう、顔も服も汚しちゃって……まあ楽しそうだからいいか。
うん? ああ、好きなとこね。忘れるとこだったよ……やっぱりああいう明るいところ、好きだよね。皆そうなんじゃないかな。
…………よく泣くところ? それ本人に言ったら確実に怒るよ……いや拗ねるのかな? そういうちょっと子どもっぽい所も好きなんでしょ? ……やっぱり。
泳いでるところもいいね。泳いでるティーダって陸にいるより生き生きしてるよね。
そうそう! この前ティーダが潜って出てこないと思ったらさ、いきなり水中から飛び出して! びっくりしたよ、五メートルくらいは飛んでたんじゃないかって。いや、五メートルは言いすぎかもしれないけど、あれはすごかったよね。 皆もびっくりしてたし、本当に人魚か何かみたいだ。陸にいると犬っぽいけど……うん、その可愛いってのも本人にはあまり言わないほうがいいね。ティーダだって男なんだし。いや、気持ちは分かるけど!
ああ、料理も上手いよね。あり合わせの材料とかでもぱぱっと作っちゃうし……そういえばこの前一人だけティーダに何か貰ってたでしょ。いいなぁ。……何なのその得意げな表情! まったくもう……。
……あ、ティーダがこっち来るみたいだね。じゃあ僕はお暇させてもらおうかな。……いやいいよ! もう充分訊いたよ!
ん? 最後に?
……はぁ、本当にノロケだけでこんなにお腹いっぱいになるなんて知らなかったよ。じゃあね、ごちそうさまっ!
まったく。
『気付いたらもう好きになっていた』
『誰よりも自分が傍にいたくなった』
まあ結局のところ、全部好きだってことだ。ちょっとした興味本位で訊いたつもりだったのに、まだまだ話し足りない感じだったし……本当にお腹いっぱいだ。
でも今度は、ティーダの方に訊いてみたいかもなんて思いもちょっと芽生えつつある。探究心が強いのも困りものだ。
ティーダの方もノロケでお腹いっぱいになりそうだけどね!
普段はこんなこと言わない僕だけど、思わずこの言葉を贈りたくなっちゃったよ。
『リア充爆発しろ!』
(お幸せに!)
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■五万打企画リク■
オニオン「ねぇ、ティーダのどこが好きになったの?」
ドラゴン・キッズ様、ありがとうございました!