でゅおでしむ発売前妄想

その1

※ティーダがカオス側と聞いて。操られティーダ妄想。皇帝様マジおにちく!

 ――暗く冷たい石造りの部屋で、それは毎日のように繰り返されていた。

「――ッあ――」
「……まだ足りぬか」

 牢獄のようなその部屋には似つかわしくない、黄金の鎧を纏う男が杖を振ると、闇よりもなお暗い光が少年の周りで踊った。

「う、あ、あああ゙あ゙あ゙ッ!! ぐっ……!! ううう……!!」

 黒い電流となった光は少年の体を縛るように纏わりつき、爆ぜる。
 彼が苦痛に悶える度に天井から吊り下げられた鎖が金属質な音を立てた。
 鎖で雁字搦めにされた手首は鬱血し、所々擦り切れている。

「ぁ…… う……」
「フン……」

 体中に苦悶の汗を流し、肩で息をする少年の顎をくいと持ち上げる。憔悴しきった少年の目は虚ろで、かつての太陽のような忌々しい笑顔は欠片も想像できない。

「……何をしている」
「セフィロスか……」

 銀の長髪を揺らし、黒衣の男が入り口から二人を見た。
 普段は残酷と恐れられる彼も、そこで行われている光景に嫌悪を抱いたようだった。

「…… コレはもともとコスモス側だ。こうして定期的にカオスの力を与えねば、役に立たぬのでな」
「…………」
「お前もあの人形に力を与えているのではないか」
「……私はあれの闇を引き出したにすぎない」

 それだけ言うと男は、少年を一瞥して部屋を出た。
 金色を纏う男は再び少年に視線を戻すと、その僅かな時間だけでも彼は闇を押しのけようと足掻いていた。
 虚ろな瞳はほんの少しの生気を取り戻す。厄介なことだと男は舌打した。

「       」

「…………まだその名を呼ぶ気力があるか」
「ッああア!!!」

 闇の力が安定し、あやつりの輪を着けるまで、闇の責め苦は終わらない。

――――――
あとがき。
 ティーダまじごめんすぎる話でした。
 ティーダがカオス側と聞いた時からいてもたってもいられずこんなありがちネタを……
 操られているティーダもコスモス側っぽいままカオスなティーダも自らの黒い部分を出しまくるカオスティーダも全部おいしいです!


その2

※普通にシリアス。コスモスとティーダ。

 目が覚めた。

 正確には、『起こされた』

『あなたの力を、貸してください――』

 ふわふわと微睡んでいた意識は覚醒し、目の前に現れた光に包まれた女性を見る。
 綺麗なひとだった。
 でも、悲しそうだった。

『あなたの力が必要なのです……』
「……オレの?」

 久しぶりに話す感覚は懐かしく、そう感じるのがちょっと寂しかった。

『螺旋を……輪廻を絶つ力……夢を終わらせる、夢――』
「オレはオヤジぶっ飛ばしただけッスよ」

冗談めかして笑うと、彼女は悲しそうに顔を伏せた。

『私は調和の神コスモス……数多の世界から戦士達を召喚し、相対する混沌の神、カオスと戦っています。何度も繰り返し……』

 いまいちピンとこないけれど、その世界も螺旋に囚われてしまっているのだということは分かった。螺旋の世界は悲しみに満ちているから。

『あなたの父……ジェクトもコスモスの戦士として召喚しました……しかし……』
「……、まさか、また捕まって人様にメーワクかけてんのかあのクソオヤジ」
『ごめんなさい……私の力が弱まっているから……』
「いーや、アンタは悪くないッス! カオスとかコスモスとかはよくわかんないけどさ」

 彼女には少し悪いが、また父と会えるのだ、と考えると心が波立った。
 カオスとコスモスの戦いよりも、最後までろくに話も出来ないまま離れてしまった父に会えるということのほうが、余程心を動かした。
 それに、今回は螺旋とは直接関係はないのだろうが、どうも敵側らしいほうへ加担しているとなれば。

「オヤジはオレがぶっ飛ばすしかないッスね!」

 任しとけ、と拳を握って笑うと、彼女もほんの少しだけ表情が和らいだ。
 それを見て少し安心する。彼女はずっと憂いを帯びたままだったから。

「そうそう、コスモス、だっけ? そういう顔がいいッスよ! 螺旋を終わらせるとかさ、そんなとんでもないことする時は元気と勢いが大事!」
 笑顔の練習! と笑えば、彼女はここに来て初めて心から笑ったようだった。

『やはり……あなたは強いですね』

 そんな事ない、と否定しようとした時、聴こえた。

「…………あ」
『聴こえましたか、『彼女』の指笛が……』
「ユウナもいるのか!?」
『ええ……でも彼女は、あなたでなければ出来ないことだと、あなたを召喚することにしたのです……自分と引き換えに』

 あの時の光景が蘇る。自分の命と引き換えに究極召喚をするのだと知ったあの時。

『大丈夫……あの世界から、もとの世界に帰るだけで命を失うことはありません……ですが、自分の代わりに戦いをあなたに任せてしまうことを、とても苦しんでいました』
「……そっか」

 安堵すると共に、変わってないなと笑う。できることなら、彼女にも会いたかったけれど。

『応えて、くださいますか』
「……とーぜん!!」

 力強く答えると体の周りに幻光虫の光が舞い始めた。

『あちらの世界に行くと、最低限の記憶以外は失われます。今ここで話したことも、忘れるでしょう……』
「オヤジをぶっ飛ばす! これだけ覚えてれば大丈夫ッス!」
 自然に笑うようになった彼女は、ありがとう、と小さく呟いた。

「それにさ、記憶がなくなっててもきっと……『想い』は消えないから」

 光に包まれながら言ったその言葉が、彼女に聞こえたかどうかは分からない。

 真っ白になっていく中で見たのは、きらきらと輝く水面だった。

――――――

あとがき。

 そしてティーダはまたしても水の中から異世界へ顔を出すのでした。
 水面があるようなところはありません捏造です。あの世界のどこかにティーダ用の泉があると信じて疑いません。

 ユウナん参戦情報とジェクトコスモス側情報で妄想した結果でした。これを妄想してた時はPVの中にもティーダがいなかったので、もしかしたらユウナが召喚するのでは……!と思ったり。
 結果はカオス側ということでしたが、妄想はタダなので問題ないッス。妄想プライスレス。

 輪廻を絶つ力はWOLさんも持ってそうだとは思ったのですが、彼はまだそれを成し遂げていないわけですよ。なんたって13回目のEDの後であれじゃないですか(一応濁す)
 ディシディア世界でその力に目覚めてって感じかなと思ったり妄想したり。
 とりあえず私はティーダを特別視しすぎだな!もう病気ですティーダ可愛いティーダ


その3

 ※またしても操られティーダ妄想。英雄さんがドS。

 黒点。太陽の中でも温度が低く、黒く見える部分があるのだという。
 肉眼では観測することのないそれも、まれに目に見えるほどに大きなものが現れることもある。
 世界を照らし出す太陽ですら、その黒を見せる。

 ――であれば、この、太陽の名を冠す子供の闇を引き出すことも、不可能ではないのだ。

「ッ、は」
「気分はどうだ……?」
「……っ……ッ! っ……、……!!!」

 床に這い蹲り、体をかきむしるように悶える少年は、歯を食いしばりながらこちらを睨みつけた。

「力を抜くがいい。内に潜む闇に抗わなければ、その苦しみからも解放される」
「……ッ、くしょ……て、め……!!」

 体をかき抱きぶるぶると震えながら必死に抵抗する少年を鼻で笑う。そうやって、いつも隠してきたのだろう。

「っれの……からだ、に…………っ……こころ、に……なに、した……ッ!!」
「…… 私はただ、闇をくすぐっただけだ」
「な……ん…………ッ……!」

 肩が跳ね、より苦悶の声があがる。
 それは例えるならば、卵の殻を破ろうとする雛。

「何をそんなに恐れている? ここにお前の仲間などいない。隠す必要などないだろう?」
「…… だ……っ」
「闇を受け入れろ……光で覆い隠す黒を曝け出せ」
「ッ……いや、だ……!」

 太陽のように黒を見せない強い光。なぜそこまで頑なに拒むのか。その理由をも暴いてみたかった。その奥に隠された闇を見たかった。

 他人にここまで興味を示したのは、初めてだった。

「さあ……」
 内に眠る闇が卵の殻を破る。
「ッ―――――!!!」

  ―闇の底へ堕ちよう―

――――――
あとがき
 操られティーダは萌えるよね!ということでまた……
 似たようなの書いてんじゃねーよぺっぺ(゚д゚)という方はサーセン!
 オヤジに対する憎しみの部分を暴かれてしまうティーダ……おいしいです。でもマジごめんティーダ

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