その日は、普段から試合が無くても取材などで引っ張りだこのジェクトが完全にオフの日だった。
ティーダのスクールも休みで、であればと母親が家族で出かけようと言ったのがきっかけ。
未だに反抗期真盛りで、少々渋るティーダを連れ、三人は大型ショッピングモールに来ていた。
何かイベントをやっているらしく、普段よりも随分と人が多いようだった。
「人が多いなぁ……っと、わりーなー今日はサインなしだ。また今度な」
例え変装したところでその体躯と雰囲気ですぐにばれるジェクトは普段どおりに堂々とし、声をかけてくるファンに接する。
あのジェクトが近所に住んでいるということもあり、このあたりのファンは随分とマナーもいいもので、写真を撮る時もちゃんと声をかけてくる。
が、今日はイベントがあるというだけあってそういう者ばかりではなく、休日中のジェクトに遠慮することもなくあっという間に人だかりができる。
声をかけてくるファンに適度に応対しているジェクトを横目に見つつ、ティーダは母親の手を握る力を強くした。
これだけ人が多いと、一度はぐれたらなかなか会えないかもしれない。そう思うと少し怖くて母の体に寄り添うように近づく。
「……え、わっ……!」
イベントの方で何か始まったらしく、一部の人の流れが変わって小さな体は簡単に押し流される。
握っていたはずの手はあっけなく離れ、再び手を伸ばすも人混みの中で小さな子どもに気を遣う者はおらず、どんどん引き離されていく。
「っ、かあさ……!」
その瞬間、どこからともなく伸びてきた大きな手に口を塞がれ腕を掴まれ、強い力で引っ張られた。
一瞬だけ、誰かが人混みから助けてくれたのかと思った。しかしそうでないことはすぐに分かった。
驚きで声を上げる暇もなく、小さな体は大きな腕に抱えられて人気の少ない通路に運ばれる。イベントやジェクトへと気が向いていてそのことに気付く者は誰もいない。
「ん゛ー! んん!」
必死に暴れ、体を軽々と抱える腕に爪をたててみてもびくともしない。そのまま関係者用の出入り口を通り、外で待っていた車に連れ込まれる。
ティーダを連れ去った男が乗り込むと同時に車はどこかへと走り出した。尚も抵抗を続けるティーダをあざ笑いながら誰かが両手と両足を拘束する。
「っ……なにすんだよ! 離せよ! 誰だよあんたら!」
「あんまり暴れないでくれるかなぁティーダくん。傷がついたら大変だからね」
(オレの名前……知ってる……オヤジの……ジェクトの息子だって分かってるんだ……ッ)
にやにやとティーダを見るのは三、四十台の男が三人。否、運転席にも人がいるが今のティーダには確認できなかった。
その笑いに、ティーダは覚えがあった。まだ、今よりももっと幼かったころの曖昧な記憶の中でそれだけは今でも覚えている。
家の傍で一人で遊んでいたティーダに近づき、誘拐しようとした男の表情と、目の前にいる男達のそれは同じだった。
あの時はたまたま帰ってきたジェクトがそれを目撃し、男を殴り飛ばすことで大事には至らなかったのだが――。
「……っぅぅ……」
もぞもぞと腕や足を動かしてみても縛られた部分が痛むだけで抜け出せそうにはない。泣いちゃだめだと必死で自分に言い聞かせながら耐える。
(ほら、ドラマとかでよくあるだろ、子どもを誘拐する話……親にお金を出せって言うんだ……人質をころしたらお金はもらえなくなる……だろうから大丈夫……大人しくしてれば大丈夫……大丈夫……っうう……)
相変わらずにやにやと笑いながら何かを話している男達の方は見ないようにして、ぎりりと唇を噛み締める。
ティーダを乗せた車は走り始めて三十分もしないうちに止まった。
再び男に体を抱えられ車外に出る。持っていた携帯端末はいつの間にか取り上げられていた。
拘束さえなんとかできれば、隙あらば逃げ出してやろうと周りをこっそりと伺う。意外なことにそこは住宅街で、しかし空き家が多いのかあたりに人気は感じられない。
その中の一軒へと男達は入っていく。ばたんと扉が閉じられた時、腹の底が冷えるような恐怖を感じた。もう二度と、ここから出られないような、そんな恐怖。
リビングに入ると、そこには普通の家のようにソファや鏡などの家具が置かれていたが、生活感はあまり感じられない。窓は全てカーテンで閉じられていて、誰かが外にいたとしても気付いてもらえそうにない。
毛足の長い絨毯に降ろされると、意外なことに手足の拘束を解かれた。
「っ……」
警戒するように男達から距離をとるが、すぐ後ろはもう壁だ。逃げ出したくとも、大勢の大人相手では無理だと分かっているから精々睨みつけることくらいしかできない。
笑いを浮かべる男達を見ていると、そのうちの一人が何かを手にしていることに気付いた。
(……カメ、ラ?)
それで自分を撮って、両親に送るのだろうとティーダは思った。ドラマでよく見る、誘拐犯の常套手段だ。人質がいることを知らせて、金を要求するのだ。
「……ッ、こっちくんなよ……!」
一歩近づいた男から逃げるように後ずさる。その手には拘束していた縄を切ったナイフが握られたままだ。
どうしても震えてしまう体が悔しい。膝をつき、ずいとティーダに顔を近づけた男は下卑た笑いを浮かべてティーダの服を掴んだ。子どもの考えていることなどお見通しだと言わんばかりに。
「君を誘拐したのはねぇ、お金のためだけじゃないんだよ」
「……え?」
次の瞬間には襟元にナイフの切っ先があてがわれ、薄手のTシャツは簡単に引き裂かれた。
「ひッ」
その引きつった悲鳴が合図のように他の二人がティーダの腕を掴み、引き裂いて脆くなった部分からさらに服を引き千切るようにして取り去った。
「やだッ! やっ、何す……!!」
ズボンも下着も簡単に取り払われ、あっという間にその全てを男達の前に露にさせられる。
暴れる体を押さえつける二人も、ナイフを適当に放り投げた目の前の男も、カメラを持った男も、皆一様に哀れな獲物に目をぎらつかせて息を荒げた。
服を取り払われ恥部を見られ、ナイフで刺されるのかと思っていたティーダは困惑する。けれどそれ以上に強いのは、この理解できない状況への恐怖だった。
「や、だっ! 離せッ……はなせよぉ……!」
「ははっ、ティーダくんはまだ毛が生えてないんだねぇ。つるつるで可愛いよ」
まだ幼いティーダには分からない。この状況がどんなことを意味するのか。これから自分の身にどんなことが起こるのか。
カメラは未だにティーダに向けられている。
何をされるのか分かっていないその無垢さに辛抱できなくなったのか、男は息を荒げながら少年の足を掴み、未熟な性器にしゃぶりついた。
「ひッ……!? ぃ、あっ、なに、なに、してっ……!!」
ぬるぬるとした生暖かい口内に幼い性器を包み込まれ、ティーダは軽くパニックになる。
行為の意味が分からずとも、これが異常なことだということははっきりと分かった。こんなのは普通じゃない。
「やだ、やだ、気持ち、悪……ひ、ッ……やめて、ね、やめ……!!」
じゅるじゅると舐られ、内股を吸われ、男の唾液が柔らかな肌を伝い落ちる。
その気持ち悪さにびくびくと脚を震わせながら、一刻も早くこの状況から逃げ出したいと思った。視界の端に映った揺れる脚が自分のものではないような錯覚を覚えながら、その言葉は無意識に口からこぼれていた。
「……すけ……たすけ、て……おやじ……っ……オヤジ……たすけて……ふ、ぅ、うう……!」
今まで耐えてきたものが一気に溢れ出す。恐怖を抑えることができなくて、ぼろぼろと涙をこぼしながら普段はあれだけ嫌いだと言っている父親に助けを求めた。
その泣き顔を撮るように、無機質なカメラのレンズが近づけられる。
堰を切ったように溢れる涙は、もう止めることはできない。恐怖に彩られた表情は何よりも男達を興奮させた。
「ひ、ぃ……ッ……や、なん、でっ、そんなとこ……っ!」
性器をしゃぶっていた男はティーダの小さな体を少し持ち上げ、その奥にある窄まりへと舌を這わせ始める。
「やだぁ……! 痛、いたいっ……おやじ、おやじ……たすけて……たすけ、て……!」
男の無骨な指が狭く柔らかい肉を拡げるように蠢く。ざらついた舌は入り口を舐め、粘つく唾液を送り込む。
「う……うぅッ……ひ……っく……も、や……だ」
「やだって、本番はこれからだよ?」
「そういえば精通はしてないのか?」
「……せ……な、に……っ……? ッ、なに、これ……」
「へへっ、我慢できねぇ」
笑いながらティーダの右腕を押さえつけている男は窮屈そうに張ったズボンの前を寛げ、その小さな手に熱塊を擦り付けた。
「お前気が早いな」
「中もいいけど俺は手とか口でしてぶっかけるのが好きなんだよっ」
「マニアめ」
げらげらと下卑た笑いをする男達にティーダが怯える。言っていることが理解できない。何をしているのか理解できない。
性知識のない少年を陵辱する悦びに浸りながら、ティーダの脚の間に顔を埋めていた男は己の欲望を誰にも侵された事のない小さな蕾に宛がった。
気持ちの悪い熱にティーダは身を固くする。
この行為にどんな意味があるのかは分からない。
けれど先程まで、普通ではありえない場所を男の指で弄られていたティーダは、これから起こる事をおぼろげながら悟ってしまった。
「や、め」
「あぁ……その顔すごくイイよ……」
恍惚とした表情で男は無遠慮に腰を進めて。
「ッ――――! ぃ、ぁ……ッ……ッ!!」
あまりの痛みに目を見開き、ひく、ひくと不規則に体が痙攣する。
酸素を求める魚のように口を開閉し、端からは透明な雫が零れた。
「お、おお……お……ッ」
きつく、狭い。けれど熱く柔らかい肉に男は歓喜の呻きを上げる。うっとりとしながら己の欲望を収めた小さな体を撫でた。
「……ゃ……ぃや……ぬい……ぬいて……ぇっ」
「駄目だよ、ふぅ……ふぅ……ティーダくんのミルクが飲めないのは残念だけど、代わりにおじさん達が、たっぷり飲ませて、あげるからねぇ」
苦しげに呼吸しながら体を震わせるティーダの脚を開かせると、男はゆっくりと腰を揺すり始めた。
「ッい、あ、あッ……ぁぁッ……い、た……ぁぁ! 痛……やああッ……!!」
男が動くたびに視界が揺れる。脚が揺れる。呼吸が上手くできなくて苦しい。体は逃げようと無意識にもがくのに、そんなものは男達の前ではなんの意味もなくて。
「はぁッ、はぁッ、ティーダくんのナカっ、最高だッ」
「ぅぁあッ……やめっ……やめ、ろ……よぉ! ひッ……おねが、あ……おやじっ……おやじっ!」
泣きながら、ただ助けを求めて父親を呼ぶ。
(も、嫌いって言わないから、だから)
いつもブリッツの試合でキングとして輝いている父。嫌いだなんて、本音じゃない。だから。
(たすけて……おやじ)
きっとあの日のように、この男達を殴り飛ばして自分を救ってくれる。こんな時だけ虫のいい話だとは思うけれど、自分を助けてくれるのはジェクト以外考えられなかった。
ふと男の動きが弱まり、泣きながら助けを求めるティーダを見て嗤っていることに気付く。
「ティーダくん、どうしてお父さんが、来てくれないのか、ふぅッ……わかるかい?」
「ひ、ぅ……ど、して……て……」
男はにたりと笑いながら、少年の心を抉るような言葉を突きつけた。
「お父さんはねぇ、きっと君のことが、いらなくなったんだよ。だから、こない。おじさん達に君をくれたんだよ」
その言葉はどんな刃物よりもティーダの心を傷つける。両目からぼろぼろと涙が溢れ、唇が戦慄く。
「う、そ……だっ」
「本当さ。すぐに分かるっ……ジェクトはこない。ティーダくんはずっと、はぁ……おじさん達のモノだよ」
「っ、うぅ、あ……っああああぁぁ!」
壊れたように泣き始めたティーダの体を男は容赦なく揺さぶる。泣くことで腹部に力が入るのか、きつく締まるそこに男の欲望は限界だった。
「はぁ、あぁっ……ティーダくんのナカにッ、おじさんのミルク、いっぱい出して、あげるからね!」
「やああっ! な、にッ……やだっ、何……や……あ、あッ」
男の動きが速まり、ぱんっと一際強く打ち付けられたかと思うと体が痙攣し、ティーダのナカで何かが弾けた。
「ひっ」
「ああ……ッ……あ゛あ゛あ゛っ……!」
男の呻きと共に熱くてどろどろとした気持ち悪いものが広がるのを感じて、あまりの嫌悪感にまた涙が零れた。
「や、あああッ……やだッ……やだやだやだァ!!! きもち、わる……や、ああ、あッ」
熱の奔流が終わると、ずるりと男のモノが出て行く。それに追随するように中で吐き出された何かが溢れて、ティーダは軽い吐き気に襲われる。
「ふぅ……ふぅ……これで、君は本当におじさんのモノだ」
ティーダの小さな手に夢中で欲望を擦り付けていた男も、その白濁を滑らかな肌の上にぶちまける。
絶望し、すっかり抵抗をやめたティーダを見て体を押さえつけていた手も緩められる。
(……にげ……な……ゃ)
ぴくり、と無意識に体が動く。今すぐここから逃げ出したい。この拷問のような責め苦から一刻も早く。その思いだけがティーダを支配する。
本能的に、無意識に、ぐったりとした体に鞭打って這うように男達から離れようとした。
「こらこらどこに行くのかな~ティーダくん?」
「ッ」
細い足首を掴まれ、そのままずるずると引き寄せられる。絨毯の毛を掴もうとしても、上手く力が入らずそれはするりと指の隙間を抜けていく。
嘲るような笑い声。先程まで体を押さえつけていた男の一人が、うつ伏せになったティーダの体を掴み腰だけを高く上げさせた。
「俺たちの相手もしてくんなきゃ困るよ~」
「ッや……いや、だ……も、やめ……ッひぃ、い、あッ……!!」
「おおッ……ッ……すっげぇ……」
再び、今度は後ろから貫かれてティーダが悲鳴を上げる。男からは歓声が上がる。
馬の手綱を引くように、背後からティーダの両手を掴んで乱暴に揺さぶり突き上げた。
「あ゛ッ、あっ、あっ……や、めっ……」
後ろで掴まれ引っ張られる腕が痛む。痛みしか感じられないこの行為になんの意味があるのかと、ティーダは分からずただかぶりを振った。
「はぁ、はあッ、最高だなっ」
ぱん、ぱんっ、と男の醜く肥えた腹がティーダの小さな尻に何度もぶつけられる。
「はいはい、次はお口でしてね~」
「ん、ぐぅっ……ぅ、うッ……や、だ……あッ」
先程ティーダの体を白濁で汚した男が近づき、今度は自身の欲望を顔に擦り付ける。
独特の臭気を放つそれにティーダが顔をしかめると、男は興奮した様子でティーダの口に性器を無理矢理押し込んだ。
「んんん゛ッ……んっ、んっんっ!」
小さな口では全てを銜え込むことなど到底できず、強引に、喉の奥を突くように腰を揺する。
後ろから、前から責め立てられて何も考えられなくなる。
最初にティーダを犯した男に胸の突起を弄られ、性器を舐られている時からじわじわと感じ始めていたその感覚に気付く。
悪寒のような、ぞわぞわとした、落ち着かない感覚。初めて感じるそれに訳もわからず翻弄される。
「んん~? ティーダくんも気持ちよくなってきちゃったかな?」
「んぐ、んっ……ん、ふ、ぅっ」
分からない、分からないとかぶりを振るティーダに男達はくつくつと笑う。快楽を知らない無垢な体。刺激に弱い幼い体は、すぐにその味を覚えるだろう。
自分達の快楽を追うのもいいが、こうしてじっくりと教え込むこともまた、楽しみの一つだったのだ。
「んッ……はぁ、はぁ……はぁ……ん、ぐ!」
苦しくて逃げるように顔を背けても、すぐまた押し込まれ、口腔を犯される。後ろからがつがつと突く男は時に動きを変え、内壁を擦りあげるようにティーダを責める。
「んん、んっ……んッ……ん!」
苦痛だけではない、むずむずするような、じんじんするような感覚にティーダは戸惑う。
呻き声に苦痛以外の色を感じた男達はにやにやと嗤うと、胸の突起を強く摘み上げ、震える幼い性器を扱く。口内を擦りながら喉の奥を突く。蕾の中に秘められた感じる場所を強く突き上げ。
「んッ!! んんんんんんん――――ッ!!?」
頭の中が真っ白になるような、体の内側に溜まった熱が一気に解放されるような未知の感覚にティーダの体はピンと張り詰め震える。
「おおッ……! うお、お……!」
「はぁ、はぁっ、あ、ああ……っ!」
きゅう、と締め付けてくる体に男達もティーダの中へ、顔へその白濁を吐き出す。
まだ精通を迎えていない体はそれでも絶頂に達し、びくびくと震えながらその熱を受け止めた。
「ひ、ぅ……あ、あッ……あっ……」
腕を放され、腰だけを突き出した格好でティーダはぐったりと絨毯に身を預けた。初めて経験する絶頂の余韻にひくん、と体が痙攣を続けている。
後ろから犯していた男が余韻に浸るようにティーダの尻に性器を擦り付けていると、それまでカメラを回していた男が辛抱ならないというように前に出てきた。
「おいお前ら……いい加減オレにも変われよっ、そいつにぶち込みたくてしょうがねぇ」
それを聞いて、ぼんやりする意識の中でティーダは更なる絶望に突き落とされる。
(ま、だ……する、の……?)
「い、や……」
弱弱しく口から漏れる言葉は男達には聞き入れられない。カメラを回していた男はそれを他の男に渡すと、ぐったりとした体を抱えてソファに座った。
首筋に、耳元に興奮した男の荒い息がかかってぞわりと肌が粟立つ。
「う、ふぅ……ぅえ……」
男に背を預けて座るような体勢になり、中で吐き出されたものが重力に従ってどろりと流れていく。男の手が気持ち悪さに身を捩るティーダの片足を下から抱えて広げ、二度も陵辱され戦慄くそこへ自身を添える。
「やだ……も、や……ぁ」
精神的にも肉体的にも追い詰められている中で、それでも男の凶器を突き立てられるのを拒否しようとソファに手を突っぱね、足を閉じようとするティーダの小さな抵抗を男は鼻で笑った。
「無駄な抵抗してんなよ、なぁ?」
「う、あぁあッ、ん!」
呆気なく突き立てられる凶器に悲鳴を上げながら身を強張らせる。既に自分を犯した男達がソファの前に座り、鑑賞するようにその光景を笑いながら眺めている。
「ぃあ、あッ、ぅ……ん、んっ、んっ」
「はぁッはぁっ、へへ、おらっ、おじさん達によく見てもらえよっ」
「ぅあああッ!」
足を大きく開かせ見せ付けるように抽挿を繰り返せば、中から白濁が溢れてくる。
涙を流すティーダの頬を、髪の隙間から覗く耳を、ほんのりと赤く染まる首筋を男の舌が嘗め回す。
内臓を押し上げられるような圧迫感でティーダは犬のように荒い呼吸を繰り返した。
他の三人も見ているだけではやはり物足りないのか、カメラを向けたまま近づきティーダの前で自身を扱き始める。
「おね、が……も、やめ……ぇ……ん、あッ、ひ! ふ、ぇ……おや、じ……ッ……あああッ」
「はぁ……ほうらね、お父さんは来ないだろう? 君はずっとここに、いるんだ……っ」
「やだぁ……ッ! あ、あぅっ……! ああッあ、あ、あ!」
ぎっ、ぎっ、とソファのスプリングを利用して男が抽挿を深く激しくする。ある場所を擦りあげられて、またあのじんじんとした痺れるような感覚がせり上がってくる。
あの未知の感覚に嫌悪以外のものを覚えてしまった体は、ティーダの意思に反して無意識にそれを追おうと鈍く腰を揺らめかせた。
「ふぁ、あっ、あっ……や、なにッ……これっ……や、だ……なにっ……あッ」
「へへ、こいつっ……自分で腰振って、やがるッ! とんだ淫乱だな!」
「ティーダくんも、気持ちよくなってきたんだねっ、おじさん達と一緒に、はぁッ! イこう! ああっ!」
後ろから突き上げる男も自身を扱いている男達も無言になり、荒い呼吸とティーダの悲鳴、いやらしい水音だけが部屋に満ちていく。
次第に速くなる動きに翻弄されながら、ティーダはこのまま自分は壊されていくのだとぼんやり悟った。
「ぃ、あッ……やだっ……くっ……る……また、なん、か……くるぅ……! ふ、あッあ……あぁッ……ッ!!」
性器を扱き上げられ、声にならない悲鳴と共にティーダの背が弓なりに反り返る。
それにつられるように男達も歓喜の呻き声を上げ、熱く汚いその液体をティーダの体へ、中へと飛び散らせた。
「ああッ! あっ……あっ……!」
両目から止め処なく涙が溢れ、だらしなく開いた口から唾液が伝う。びくびくと震える体にもう抵抗する力などあるわけもなかった。
「やっぱり君は最高だよ」
朦朧とする意識の中で男の言葉が耳に届く。けれどその意味は頭に入ってこない。ただの音としてしか認識されない。
「明日はおじさん達のお友達が来るからね。明後日も明々後日もずーっと、おじさん達が可愛がってあげるから」
それを理解できなかったのは、不幸だったのか幸いだったのか。
体の中からずるりと性器が引き抜かれるのと同時に、ティーダは意識を手放した。
禁断の宴は、まだ終わらない。
おまけ
※ご注意※
このページは「禁じられた遊び」のオマケです。というかボツネタです。
なんとなく勿体無いような気がしたので適当にざかざかっと書いてオマケとしてそっと置いておきます……
まあ本編がアレなのでお分かりかと思いますがオマケも下衆い話です。申し訳ない。
大丈夫な方は下へどうぞ~。
――――――
「ティーダ!? ティーダか!?」
ようやく繋がったと思った息子の携帯から望んだ返事はなく、代わりに嘲笑う声が響いた。
『くくっ……お父さんですか……? 手紙は読んでもらえましたかねぇ?』
「テ、メェ」
その声には聞き覚えがあった。手紙と共に送られた映像。その中でティーダを、息子を穢した一人――。
小さな体を押さえつけ、嫌がり泣く子どもを嗤いながら陵辱した映像が脳裏を掠めてまた怒りで我を忘れそうになる。
携帯端末を握りつぶしてしまわないように気をつける。今はこれだけが、息子との唯一のつながりなのだ。
「この下衆野郎が……! ティーダはどこだ……!」
『すぐそこにいますよ。ほぉらティーダくん、お父さんが声を聞きたいって』
『……ゃ……じ……?』
小さく弱弱しい、擦れた声が聞こえる。それは確かにティーダのもので、その命を失っていないことに安堵したのも束の間。
『ひ、ぃあ……! や、あッ……あ! ……すけ、……おやじ……たす……てぇ……!』
『へへへ……ジェクトさん、よぉ……お宅の坊ちゃん、すっげぇいい、具合だぜ……』
先程とは違う、何かを堪えるような男の声。そのすぐ傍から聞こえるティーダの苦しげな悲鳴。何をされているのかなんて嫌でも分かってしまう。
砕けそうなほどに奥歯を強く噛み締める。あの映像の光景が今もまだ続けられている。
頭が沸騰しそうな程に怒りがこみ上げる。それでも冷静でいなければならない。ティーダを無事に取り返すまでは。
「金はもう用意できてんだ……そいつに手を出すのはやめろ!」
『それがですねぇ、もう一つお願いがあるんですよね』
もったいぶるように間を置くと、電話の向こうの男は楽しそうにこう言った。
『ブリッツ界のキング、ジェクト。貴方の引退が条件だ』
「…………」
『貴方のファンは大勢いるんでしょうが、恨みを持ってる人も大勢いましてね? 貴方一人の存在でゲームバランスが崩壊する。それを望まない人達に僕らは雇われたわけですが』
『ま、金貰えるしお宅の坊ちゃんと楽しい事できるし、アンタの引退なんて俺らには関係ないけど、なっ!』
『ッ――!! あ、あッ……は、ぅ……っ』
ジェクトにとってその要求は全く悩む必要もないものだった。
大切な息子とブリッツと、どちらを取るかなんて分かりきった答えだった。だからすぐに返事をしようとした時。
『……おや、じ……や……』
泣き虫で、自分の子とは思えないほど繊細で守ってやりたくなる息子の、いつも以上に弱弱しい声に胸を締め付けられる。
だが次に出た言葉にジェクトは僅かに目を見開いた。
『や、だ……ブリッツ…………めちゃ……やだよぅ……』
「……っ……お、めぇ……何言ってんだ』
『ブリッツして……る……おやじ……すき、だから……っ……から、やめな……ぃで』
電話の向こうで男達が嗤っている。泣きながら懇願するティーダの声を、ジェクトは呆然として聞いていた。
『ははっ、美しい親子愛じゃねぇか』
『ティーダくん、お父さんにブリッツやめて欲しくないんだねぇ? じゃあおじさん達とずっと一緒にいてくれるのかい?』
ティーダがどう答えたのかは分からない。頷いたのかもしれないし、やはり答えられなかったのかもしれない。
次の瞬間に悲鳴が聞こえて、ジェクトははっと我にかえった。
『まあどっちにしても、お父さんが答えを出すまでは一緒にいるんだけどねー。ほら、おじさん達に何されてるかお父さんに教えてあげよう』
『ふ、ぅ……うぇ……っく……、お……じさん、の……ッ……ひぅ……おち……ちんが……っああ!」
『うんうん、どこに入ってるのかな?』
『お、れの……っ……おしり、にぃ……は、あッ……あぅッ……!」
「やめろォ!」
たまらず叫んでいた。嗚咽を漏らす息子が、汚らしい男達の手で犯されている光景が目に浮かんで気が狂いそうになる。
いつもは『だいッきらいだ』と言う息子の、ブリッツをする父の姿が好きだという本音が胸に突き刺さる。
どうしてあの時、ちゃんと手をつないでおかなかったのかと、後悔と自責の念が押し寄せる。
「頼む……やめてくれ! 引退でもなんでもするからよぉ! だから頼むッ……もうそいつに手を出すな!」
そんな、三流ドラマでよくありそうな懇願の台詞を言うジェクトに男達の嗤い声はますます大きくなり。
次に聞こえた通話終了を知らせる無機質な音に、携帯を持っていた手がだらりと下がった。
「ティー、ダ……」
呆然と立ち尽くした後、再び湧き上がった憤怒と男達への殺意を抑えきれず、衝動のままに壁を殴りつけた。
――――――
以上\(^o^)/
収集つかなくなりそうだったのでボツ
映像云々は鳩さんの小話から。