DFF/FF10

【完結済】明けの空へ(ジェクティ)

終:再会

薔薇色の空が、次第に青へと変わっていく中で、家までの道のりをゆっくりと歩いて帰る。 隣を歩く存在そのものが幸福そのものであるように思えて、それを逃がさないようにジェクトは手を握る力を少しだけ強める。 すると、弱く握り返してくれるのがたまらな...
【完結済】明けの空へ(ジェクティ)

十:言葉

「おれ……っぃ……ちどもッ……自分が、『ティーダ』だって、思えたこと……ないよ……」 途切れ途切れに、涙を堪えながら告白する少年は、夜の闇に飲み込まれてしまいそうなほどに頼りない存在だった。 ――そうではないかと、確かにジェクトも思ったこと...
【完結済】明けの空へ(ジェクティ)

九:矛盾

初めてその真紅を目にした時は、ただ、怖かった。 心臓が縮み上がるような、息が詰まるような感覚。 こわくて、でも。 嫌では、なかった。―――――― ちゃぷんとお湯の跳ねる音がする。今聞こえるのはそれと、外から聞こえる鳥の鳴き声だけだ。 湯船に...
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0721の日リベンジ・再【R18】

(うーわー……) 夕食後、見張り役以外の仲間はぽつぽつとテントへと戻り始めた頃。姿が見えないフリオニールを探してくると言い、少し離れた所にある林の奥に入ったティーダはそれを見てしまった。「ん……っ」(何かイケナイもの見ちゃったッス……) 離...
【完結済】明けの空へ(ジェクティ)

八:乖離

あれから、ジェクトが拍子抜けする程ティーダはあっさりと機嫌を直した。 けれど、その代わりのようにジェクトはどこか壁を感じるようになっていた。 目の前にいるのに、態度はいつもと変わらないのに、ガラス一枚隔てたような微妙な距離感。 一度気付いて...
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おやすみの

※『元凶は何処に』の続きっぽいもの「んだよこりゃあ……」「あはは、おやじが二人に見えるー」 試合の後、友人達と遊びに行くと言って夜の街に繰り出していった息子。 ジェクトはジェクトで仲間と飲みに行っていたのだが、珍しく息子より早くに帰ってきて...
【完結済】明けの空へ(ジェクティ)

七:不安

カーテンの隙間から差し込む朝日に覚醒を促され、二日酔いの頭痛に魘されながらジェクトは目覚めた。 そこまで深酒したつもりもないのだが――そう思った所で風呂場での出来事を思い出し、頭痛とは別の意味で頭を抱えたくなった。 共に風呂に入っている時、...
【完結済】明けの空へ(ジェクティ)

六:変化【R18】

「おやじ! 早く起きろってば! 今日は朝から練習って言ってたじゃん!」 ぎゃんぎゃんと騒ぐ声に急かされてジェクトはぼんやりと目を開ける。 最近ではティーダもジェクトも生活に慣れたとあって、アーロンも自分の家に帰ることも多く、ほぼ親子二人での...
【完結済】明けの空へ(ジェクティ)

五:日常

海の水は冷たいのに、体の奥底から熱が湧き上がってくる。 少し離れたところでボールを持ったままこちらを睨む目に昂る心を抑えられない。 パワーでは敵わないと分かっているのか、素早く身を翻してすり抜けようとするのを難なく止めると、そこから攻撃に転...
【完結済】明けの空へ(ジェクティ)

四:呼声

「あ、豚肉が安い。今日のメインこれでいい?」「おぅ」 カートを押しながらティーダについて歩く。あれやこれやと商品を放り込むティーダを見ながら、ジェクトは気付かぬうちに笑みを零した。 ティーダが見つかってから一週間が経った。「だ、だって本当に...