DFF/FF10

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似てると思うんスよ!

「スコールのいた世界ってオレの世界と似てると思うんスよ!」 藪から棒になんだこいつは。 ガンブレードの手入れをしながらそう心の中で突っ込む。 いつも一緒にいるクラウド達はリーダーと会議中だとかでこの部屋に転がり込んできたティーダはいつも通り...
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たまには

きらきらと光を受けながら舞う水飛沫。その中心には金の髪と健康的に焼けた肌を持つ少年の姿。「っは……」 魚のように高く飛び上がり、くるりと弧を描いて水中に戻っていく姿は、誰もが魅了されることだろう。 横でいつもの暑苦しい上着を脱いで、素足を水...
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寝てもいいよ

男に可愛いというのは、失礼なことなのだろうとは分かっている それでも、可愛い弟分はやはり可愛いのだ。「あーつっかれたー!」 テントを張り終えるなり中に飛び込んで足をばたばたさせるティーダは、確かに今日一番動いていた。 ブリッツボールでの攻撃...
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―それはきっと、水辺に棲む妖だったのだろう― ちょっと失敗した。 そう、ちょっとしたことなのだ。 なのに何故か、顔が熱くなって、視界が歪みそうになることがある。 気付かれないように笑顔になってみたり騒いでみたり、それでも苦しい時があって。 ...
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甘えてない

「ティーダ、今日は疲れただろう。もう休んでおけ」 その声にはっとして顔を上げると、フリオニールが苦笑しながら頭を撫でてきた。どうやら焚き火を囲んで談笑している間にうとうとしてしまったようだ。 なんだかかっこ悪いところを見られたみたいで恥ずか...
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お前が望むなら

どこの世界も、理不尽なのは変わらないらしい。 それに気付いたのは、倒すべき相手のことを、記憶を取り戻した時で、思わず天を仰いでまだ会ったことのない神に舌打ちしたくなったものだ。 そしてこの世界の仕組みも、実に胸糞悪くなるようなものだ。まさか...
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それでも、俺は

「ごめん」 それは、何に対しての謝罪だったのか。 今にもくしゃりと歪んでしまいそうな顔で笑うティーダの傷を魔法で癒しながら、スコールは奥歯を噛み締めた。――――――「憐れな子……還る場所もないのに、大切なものを持っても辛くなるだけでしょう?...
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試合続行中【R18】

「ん、んっ」 漏れ出る声が浴室内に反響して聴覚を刺激する。 絶えず降り注ぎ肌を伝う微温湯の感触はスフィアプールの中を、試合を思い出させて――プールの中は微温湯ではないけれど――ティーダは堪らず目を瞑った。 すると今度は口内で絡む舌と、肌をま...
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してくれないの?

セフィロスには悩みがあった。 人間であれば誰しも一つや二つ悩みは持っているし、セフィロスの悩みというのも、この年頃であれば当たり前の、ごく普通のものだ。 ただ問題なのは。「セフィロスー! はやくはやく!」 相手がティーダだということだった。...
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逃げるなよ

何回目だろう。 突き刺さる感触を確かめながら、男はぼんやりと考えた。 そもそも数えてすらいないのだから、分かるはずもないのだけれど。 ず、と壊れ物を扱うように――実際『壊れ物』なのだが――殊更丁寧に刀を引き抜く。 その体をゆっくりと地面に横...