FF14

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07.Le jugement du dieu de la guerre.

「全く……野蛮人は次から次へと厄介ごとを……」 小さくぼやいているのは、魔術科で学年トップの成績を誇る蒼天騎士の一人、オムリク・ド・プーラニョン。校内で起る決闘裁判の監督役の一人。武力を嫌う彼は、決闘裁判制度そのものに批判的だ。だが聖職者を...
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06.Formation secrète

汝、戦神の御前で力を証明せよ。 戦神の目は真実を見通す。 戦神の祝福は正義に与えられる。 故に正しきは、勝利を手にした者である――。 決闘裁判。食堂に併設されたインナーバルコニーで友人二人から制度の説明を受けたハルドメルは思わず天を仰いだ。...
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05.Il n’est si bon cheval qui ne bronche.

「おはよーハルドメルさん!」「あっ……お、おはようっ!」 クラスメイトかつ同じ寮だった二人の女子生徒に挨拶され、少しの緊張と、声をかけてもらえた喜びとで、ハルドメルは少し上がる体温を感じながらはにかんだ。「準備早いね! 朝食はこっちだよ!」...
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04.Il ne faut pas réveiller le chat qui dort.

銀色だ、と思った。 あの日の少年とよく似たその色が目の前に現れた時。 ハルドメルは今までとは全く違う日常が始まるのだと、無意識のうちに感じていた。* * *「今日からハルも一年生ね! なんだか私までうきうきしちゃうわ!」「はは、お前の方がハ...
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Link,Bring,Ringing【R18】

2024年にコピー本として出したはるしゅふぁんifルートのその後のお話。二人の初めての夜。紙の本もこだわりましたのでよろしくお願いします!
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03.À bon vin point d’enseigne

編入試験は、一週間程度で結果が出る。事前にそう聞いていたハルドメルは、両親の昔馴染みの家に下宿という形で滞在することになった。両親は仕事のために外に出ている。 入学となれば色々と物入りだ。一人娘の決断を喜ぶ両親は、貯蓄はあっても今まで以上に...
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02.L’endroit dont je rêvais

ハルドメルが自ら学校に行きたいと言い出し、両親は大層喜んだ。 聞き分けが良く、家業の手伝いも積極的にやる自慢の娘だが、友達を作れない――作ることを諦め気味だった彼女を二人は心配していたのだ。 度々学校の話はしても、決まって自分達と旅をするの...
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01.Prologue

「戦神ハルオーネの御前にて、誇りをかけて戦うことを誓う!」「我らの武、どうかご照覧あれ!」 他国との交流が薄く、鎖国していると揶揄される皇国イシュガルド。 齢十歳の少女は行商人である両親とともにその国に入り、偶然行われていた皇国立イシュガル...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

49.親友

久方ぶりに訪れた親友の眠るクルザスの地は、相も変わらず純白の雪に覆われている。 それでも折を見て訪れる時晴れ間が多いのは、いつもの笑顔で彼が歓迎してくれているようで嬉しかった。「久しぶり、我が友」 ふふ、と笑って語りかける。ギラバニアに旅立...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

48.幕間:英雄になれなかった男

薄暗い牢は少し黴臭い。ないよりマシという程度の粗末な布の上に転がって、男はぼうと天井を見ていた。 捕えられた以上、もう先などない。終わるならさっさと終わってしまえ。そう思いながらも所詮小心者であるこの身は、腹の底で未だ恐怖に怯えている。 天...