【長編】答えはいつか、旅の果てで。

【長編】答えはいつか、旅の果てで。

19.一番星の輝き

その日のオルシュファンは、少し様子が変だった。 隊長が変わってるのはいつものことですよ、なんて、兵士達は冗談めかして言っていたけれど。どことなく、憂鬱そうな、ぼんやりとする瞬間があるようにハルドメルは感じていた。「シュファン、具合でも悪い?...
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18.甘いものは好きですか?

「お前は放っておくとすぐあれやこれややりはじめるからな! いいかお前達、絶対ハルに手伝わせるんじゃないぞ! 特に肉体を激しく躍動させるような戦闘行為はな!」 そんなオルシュファンの指示の元、キャンプ・ドラゴンヘッドに来てから何かと皆の手助け...
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17.忘れ得ぬ傷痕

「負けても二日酔いとか言わないでね!」「何を! お前こそ雪には慣れたのだろうな !?」 誰の目から見ても浮かれている二人は、いそいそと装備を調えていた。周りでは今度こそハルドメルが勝つに決まっている! いや隊長だ! と賭けの話をしている者や...
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16.夜明けの海の夢

少し、大げさなくらいが丁度いい。蔑まれても、呆れられても、笑われても。それで上手く回るのなら。――けれど。 あまりに。そう、あまりにも素直に受け、朗らかに笑うものだから。 ハルドメル達がキャンプ・ドラゴンヘッドにやってきて二日目。あの後はオ...
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15.一時の平和を

「おはよう諸君! よく眠れたか? 今日も一日民と友を守るイイ騎士としてその肉体を鍛え、雪原に汗を煌めかせるのだ! そのためにはまず! 食事はしっかり摂るのだぞ!」「あはは、朝から元気だね」「当然だ、今日からお前がここで共に暮らすのだからなっ...
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14.幕間:英雄になれない者達

「へぇ、ついに完成したのか」『あぁ、今ウリエンジェが試してるけど、大丈夫みたいだ。どういう仕組みなのか俺にはさっぱりだけど』「そんなの俺もだよ……」 光の戦士の再来と謳われるハルドメルが数々の蛮神を討伐したことにより、最近は蛮族達の動きは大...
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13.灯火

間違っていたのだろうか。 そうだとしたら、いつから? どこから? 答えてくれる人は、誰もいない。 蛮神シヴァを退けた。イシュガルドの魔法障壁を破り、皇都を襲おうとしたドラゴン族を押しとどめた。ドマの難民問題も、各地の蛮神問題も、何とかしよう...
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12.それは、紙一重の

「オルシュファン卿が大いに心配していてね」 シヴァを退けた後、アイメリクからそう言われて、ついつい頬が緩んだ。いつの間にか、最前線に出るのが当たり前になっていた最近。そうやって身を案じてくれる良き友がいることが、心の底から幸せだと思った。あ...
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11.幕間:とこしえの絆に寄せて

オルシュファンは心底絶望していた。親友の命を救い、オルシュファンの心をも救い、友になったあの人はあれから度々この地を訪れている。それ自体は大変喜ばしいことだ。 ――その時に限ってオルシュファンが不在であったということを除けば。「何故……何故...
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10.英雄と友

大切にしたいと、思った。この上なく素晴らしい友のことを。 魔導城プラエトリウムを制し、ガレマール帝国からの侵略の危機が一時的に去ってからも、ハルドメルは目まぐるしい日々を送っていた。 『エオルゼアを救った英雄』などという肩書きがつき、噂やら...