【長編】答えはいつか、旅の果てで。 04.ちいさな手 (……あれ) その日、ハルドメルは忘れられたオアシスと呼ばれる、ミコッテのサンシーカー族が暮らす集落に来ていた。サゴリー砂漠に入る直前にあるこの集落は、この地を訪れる者――と言ってもそうそういないのだが――にとって貴重な水源であり、焼けた砂... 2023.05.21 FF14【長編】答えはいつか、旅の果てで。新生編
【長編】答えはいつか、旅の果てで。 03.変わる世界 「いやいや、新たな英雄が生まれたという噂を聞きつけましてな!」 興奮気味に話す三国のグランドカンパニー将校達の言葉に、ハルドメルは思わずぎょっとした。 英雄――? 英雄とは武勇や才知に優れ、凡人には成し得ない偉業を達成するような人のことだ。... 2023.05.14 FF14【長編】答えはいつか、旅の果てで。新生編
【長編】答えはいつか、旅の果てで。 02.旅立つ理由はすぐそこに 東の空が少しずつ明るくなりながらも、まだ薄闇が残る早朝。ラノシアの片隅で木人を叩く音が密やかに響いていた。「ッは……」 その人物の身長は二ヤルムを優に超える。引き締まった肉体は、日々の鍛錬を欠かしていないのを証明していた。 黒い肌から汗が滑... 2023.04.30 FF14【長編】答えはいつか、旅の果てで。新生編
【長編】答えはいつか、旅の果てで。 01.銀色の人 銀色だ、と思った。 きらきらとした陽の光を浴びて、鈍く光る銀。 その色だけが、脳裏に今でも焼き付いていた。「ハル、来週からは黒衣森方面だから前回と同じやつをお願いしてきてね」「はーい」 緩く波打った、深海のような紺の髪が揺れる。レッドルース... 2023.04.27 FF14【長編】答えはいつか、旅の果てで。新生編