FF14

【長編】答えはいつか、旅の果てで。

17.忘れ得ぬ傷痕

「負けても二日酔いとか言わないでね!」「何を! お前こそ雪には慣れたのだろうな !?」 誰の目から見ても浮かれている二人は、いそいそと装備を調えていた。周りでは今度こそハルドメルが勝つに決まっている! いや隊長だ! と賭けの話をしている者や...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

16.夜明けの海の夢

少し、大げさなくらいが丁度いい。蔑まれても、呆れられても、笑われても。それで上手く回るのなら。――けれど。 あまりに。そう、あまりにも素直に受け、朗らかに笑うものだから。 ハルドメル達がキャンプ・ドラゴンヘッドにやってきて二日目。あの後はオ...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

15.一時の平和を

「おはよう諸君! よく眠れたか? 今日も一日民と友を守るイイ騎士としてその肉体を鍛え、雪原に汗を煌めかせるのだ! そのためにはまず! 食事はしっかり摂るのだぞ!」「あはは、朝から元気だね」「当然だ、今日からお前がここで共に暮らすのだからなっ...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

14.幕間:英雄になれない者達

「へぇ、ついに完成したのか」『あぁ、今ウリエンジェが試してるけど、大丈夫みたいだ。どういう仕組みなのか俺にはさっぱりだけど』「そんなの俺もだよ……」 光の戦士の再来と謳われるハルドメルが数々の蛮神を討伐したことにより、最近は蛮族達の動きは大...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

13.灯火

間違っていたのだろうか。 そうだとしたら、いつから? どこから? 答えてくれる人は、誰もいない。 蛮神シヴァを退けた。イシュガルドの魔法障壁を破り、皇都を襲おうとしたドラゴン族を押しとどめた。ドマの難民問題も、各地の蛮神問題も、何とかしよう...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

12.それは、紙一重の

「オルシュファン卿が大いに心配していてね」 シヴァを退けた後、アイメリクからそう言われて、ついつい頬が緩んだ。いつの間にか、最前線に出るのが当たり前になっていた最近。そうやって身を案じてくれる良き友がいることが、心の底から幸せだと思った。あ...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

11.幕間:とこしえの絆に寄せて

オルシュファンは心底絶望していた。親友の命を救い、オルシュファンの心をも救い、友になったあの人はあれから度々この地を訪れている。それ自体は大変喜ばしいことだ。 ――その時に限ってオルシュファンが不在であったということを除けば。「何故……何故...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

10.英雄と友

大切にしたいと、思った。この上なく素晴らしい友のことを。 魔導城プラエトリウムを制し、ガレマール帝国からの侵略の危機が一時的に去ってからも、ハルドメルは目まぐるしい日々を送っていた。 『エオルゼアを救った英雄』などという肩書きがつき、噂やら...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

09.嵐の前の休息

「なんか色々……恥ずかしいとこ見せちゃった」「何を言う。お前の話を聞けて嬉しかったぞ」 今度こそホワイトブリムに向かおうと、ハルドメルは身支度を調える。ヤエルとコランティオも、オルシュファンと共に見送りについてきた。「また来てね。いつでも歓...
【長編】答えはいつか、旅の果てで。

08.友は異なもの味なもの

とんでもない思い違いをしていた。 あの人に失礼なことをしてしまった。 だから、謝らなければ。あの人に――。 キャンプ・ドラゴンヘッドの宿舎に一晩泊めてもらった翌日、ハルドメルはフランセルの異端嫌疑を晴らすために改めて荷運び人の積み荷を確認し...